WHO(世界保健機関)患者安全のための世界連盟(World Alliance for Patient Safety)とジュネーブ大学(スイス)が2011年以来、隔年開催している「感染症予防・対策国際会議(International Conference on Prevention and Infection Control:ICPIC)」は、その第2回会議(ICPIC2013)から、感染症の予防・対策に関するビデオクリップ・コンテスト「ICPIC CLIP AWARD」を実施している。世界各地から募集した興味深く、実用的なビデオクリップを通して、感染症の予防や対策、抗生物質の適正投与による薬剤耐性拡大の防止、患者の安全に関する措置などについて啓蒙する狙いがある。
衛生福利部(日本の厚生労働省に類似)疾病管制署はこのほど、『防疫小尖兵、手衛一把罩(Be a Hero and Defend Health! Join the Preventive Measures Force: Hand Hygiene, Respiratory Hygiene, and Cough Etiquette)』と題するアニメーションを同コンテストに出品した。
抗生物質発明の紹介から始まるストーリーで、抗生物質は人類の細菌性感染症の治療に役立ってきたが、その不適正な使用により、薬剤耐性を持つ病原菌が生まれていることを説明している。薬剤耐性を持つ強い病原菌の脅威に立ち向かうため、「手洗い」、「咳エチケット」など、感染症を予防するための「秘密兵器」を持つ小さな兵士5人が、助け合って病原菌から体を守る。感染症の発生を予防することさえできれば、抗生物質の使用を控えることができ、薬剤耐性を持った病原菌の発生を抑制することも可能になると説いている。
なお、このコンテストには国立台湾大学医学院附設医院も「Antibiotics Awareness Week: reserve antibiotics for a real bacterial infection」と題する作品を出品している。台湾の伝統人形劇「布袋戯(ボテヒ)」の人形を使ったもので、台湾らしさあふれる作品になっている。
これらのアニメーションは6月20日までICPICの公式投票サイトに掲載されており、Emailアドレスを登録して「I VOTE」と書かれたところをクリックすれば誰でもウェブ投票に参加できる。1つのEmailアドレスで、同じ動画に対して1日1回だけ投票することができる。衛生福利部疾病管制署では、ウェブ投票は台湾に対する大きな支援になり、国際社会に台湾をアピールすることができるとして、投票を呼び掛けている。