バチカンのピーター・コドボ・アピア・タークソン(Peter Card. Turkson)枢機卿が27日から10月3日まで、中華民国政府の招きに応じて来台。10月1日から7日まで台湾南部・高雄市で開かれる「第24回船員司牧(海の使徒職)世界大会(XXIV World Congress of the Apostleship of the Sea)」にも出席して大会を執り行う。
「第24回船員司牧世界大会」はバチカンの「人間開発のための部署(Dicastery for Promoting Integral Human Development)」が今年1月1日に設立されて以来、海外で開く初めての重要な国際会議。台湾で同大会が行われるのは初めて。大会には世界50カ国の聖職者、専門家、学者ら250人あまりが来台して参加する。ミャンマーのチャールズ・マウン・ボー(Charles Card. Maung Bo)枢機卿、バチカン・ローマ教皇庁科学アカデミーで院長(Chancellor)を務めるマルチェロ・サンチェス・ソロンド(Bishop Marcelo Sánchez Sorondo)司教、バチカン「人間開発のための部署」のMons. Tejado Muñoz Segundo副事務局長らも参加。
ピーター・コドボ・アピア・タークソン枢機卿はローマ教皇フランシスコが「人間開発のための部署」の初代長官に任命した人物で、チャールズ・マウン・ボー枢機卿、マルチェロ・サンチェス・ソロンド司教と共に、天主教輔仁大学(台湾北部・新北市)附属病院の竣工式にも出席する。
チャールズ・マウン・ボー氏は2015年にローマ教皇フランシスコによって枢機卿に抜擢された、ミャンマー初の枢機卿。ローマ教皇庁科学アカデミーはカトリック最高の学術権威機関で、中華民国(台湾)の最高学術研究機関、中央研究院の李遠哲元院長は2007年、当時のローマ教皇ベネディクト16世から同アカデミーの会員に任命されている。院長のマルチェロ・サンチェス・ソロンド司教が今回台湾を訪れたことは、バチカンが中華民国との科学技術に関する学術交流を重視していることを示している。チャールズ・マウン・ボー枢機卿とマルチェロ・サンチェス・ソロンド司教は滞在期間中、台湾の仏教団体、「霊鷲山仏教教団」を訪問して将来の宗派を超えた協力について意見を交換することにしている。
バチカンの「人間開発のための部署」は今年1月に設立された。従来の「開発援助促進評議会」、「正義と平和評議会」、「移住・移動者司牧評議会」、及び「保健従事者評議会」の四つを統合したもので重要な地位にある。また、従来の「移住・移動者司牧評議会」に属していた「国際船員司牧(Apostleship of the Sea International)」は1920年10月4日にスコットランドのグラスゴーで設立された機関で、国籍、人種、信仰及び宗教を問わず、全世界の船員や漁師、その家庭に物資や精神的サポートを提供する世界のカトリックにおける「省庁クラス」の組織。1972年より5年ごとに会員国で「世界大会」を開いている。2007年と2012年にはそれぞれポーランドとバチカンで開催された。中華民国(台湾)は「国際船員司牧」の会員で、今回初めてその「世界大会」が開かれる。