頼清徳行政院長(首相)は28日、離島の馬祖を訪れ、「南北竿大橋」建設計画の進捗状況を視察した。「南北竿大橋」とは、列島を形成する主な島である「南竿」と「北竿」の間に建設する橋。頼行政院長は同計画について、橋梁の建設に代わる案が無いならば経費は問題ではないとし、克服すべき技術的な問題などで実務的な議論を行い、向こう2カ月以内に計画を決められるよう希望した。
頼清徳行政院長は、今回政府の閣僚らを率いて馬祖を訪れたことは、具体的な行動で馬祖への支持を示すためだと指摘。その上で頼行政院長は、馬祖には様々な観光資源があるとして、かつて戦地だったことによるユニークな景色、国際レベルの観光資源である「藍眼涙(青の涙)」、アジサシなど天然の生態系の風景を例として挙げた。頼行政院長はさらに、馬祖には閩東文化(閩東とは、中国大陸福建省の東部沿海地域)もあり、宗教文化も盛んだと説明、美食の面でも「閩江」(中国大陸・福建省最大の河川)の水産物が豊富で、馬祖の老酒(長く寝させた酒)も国際的な知名度を誇っていると絶賛した。馬祖は「閩江」の河口沖に位置する。
「藍眼涙」とは、毎年4月~9月に馬祖の海辺で見られる不思議な青色の発光現象で、夜光虫や渦鞭毛藻だという研究者もいれば、貝虫だという人もいる。
馬祖列島によって構成される連江県が提示する「国際芸術島」構想についても頼行政院長は、その元戦地としての風景と生態系の保たれた景観に言及、中央政府として大いにこの構想をサポートする考えを示すと共に、海外のアーティストを馬祖に招くことが出来るよう期待した。馬祖には「幸福のスマートアイランド」構想もあり、行政院は同じく支持していくとしている。また、3,000トン級の連絡船が必要としていることについても支持する立場を明らかにした。
「南北竿大橋」建設計画によれば、同橋梁は全長3,165メートル。幅は23メートルで、主な橋梁部分は約1,200メートル。斜張橋形式を採用し、建設には約8年が必要だということ。