教育部(日本の文部科学省に類似)青年発展署は4日、2017年に初めて開催した台湾大学生による長期海外ボランティア計画の成果を発表した。派遣したのはフィリピンにあるオランゴ島。台湾のNGO団体である願景青年行動網協会(Vision Youth Action)と現地のボランティア団体が手配に協力した。初回となった2017年度は台湾の大学生2名がこの計画に参加し、3か月間のボランティア活動を行った。
参加者の一人、陳冠名さんは国立台北大学(台湾北部・新北市三峡区)企業管理系(=学科)で学ぶ大学生。大学入学後は金融業界でアルバイトをした経験しかなかったが、自分探しと今後進むべき道について見つめ直すため、この長期海外ボランティア計画に参加することを決めた。
陳冠名さんが担当したのは記録を残すこと。島民の生活の様子を動画で記録し、今後のボランティア活動の基礎となる資料を作成した。これはまた、地元の住民に健康な環境作りの重要性を知ってもらうのにも役立った。
オランゴ島での生活を通して、「チャンスは勇気のある人のもとにやってくる」ことを実感したという陳冠名さん。全力で取り組みたいと思うものを見つけた人は、勇気をもち、全力で試してみて欲しいと呼びかけた。
もう1人の参加者、国立台湾科技大学(台湾北部・台北市大安区)企業管理系で学ぶ張湘昀さんは、これまでに何度か海外でボランティア活動を行ったことがあるものの、この長期海外ボランティア計画に参加すると決めたとき、家族からは心配された。それでも張湘昀さんの強い決意は揺るがず、1ヶ所に長期滞在し、現地の生活と深く関わりながら、自分に挑戦していきたいという気持ちを伝え、ようやく家族の同意を得ることができたという。
張湘昀さんが担当したのは女性支援やトイレなどサニタリー関係の計画。現地の家庭にトイレを設置したほか、生理用ナプキン、オムツの需要について調査した。これらは今後のこの地域の発展計画に役立てる。