ノルウェー領スヴァールバル諸島に位置し、世界の作物種子を永久保存する「スヴァールバル世界種子貯蔵庫(Svalbard Global Seed Vault)」は近く設立10周年を迎える。これを祝賀するため、台湾南部・台南市善化区に本部を置く非営利組織「亜蔬―世界野菜センター(The World Vegetable Center、AVRDC)」の職員は1月31日、農作物21種類の作物種子1,004種を「スヴァールバル世界種子貯蔵庫」へ輸送する手続きを行った。
「亜蔬―世界野菜センター」のGenebank managerであるMaarten van Zonneveld氏によると、「スヴァールバル世界種子貯蔵庫」は世界の農業多様性を保護し、作物種子を永久保存する種子貯蔵庫で、深刻な自然災害や人災に起因する農作物種の絶滅を防ぐために作られた。「地球最後の日のための貯蔵庫」と呼ばれるもので、今月26日と27日に設立10周年を祝賀する記念イベントを行うことになっている。
一方、台南市善化区に本部を置く「亜蔬―世界野菜センター」は、もとの名称を「亜洲蔬菜研究発展中心(Asian Vegetable Research and Development Center, AVRDC)」といい、1971年5月に中華民国(台湾)、米国、日本、韓国、タイ、ベトナム、フィリピンの7か国の政府とアジア開発銀行(ADB)が共同で設立した農業研究のための国際非営利組織。1973年10月17日より正式な運用を開始した。
「亜蔬―世界野菜センター」は2016年より、「スヴァールバル世界種子貯蔵庫」へ作物種子1,004種を郵送する準備を進めてきた。今回選出したのはオクラ、ナス、大豆、タケアズキ、カボチャ、ヘチマ、アマランサス属、カラシナなど農作物21種類の作物種子。
これらの作物種子は2016年の9~10月に作付けされ、2016年末から2017年半ばに収穫されたもの。これらから種子を取り出して厳選し、作物別に1か月から数か月間乾燥させた。その後、アルミニウム箔の袋で密閉し、これらの種子が極低温での長期貯蔵に耐えられるようにした。