2025/07/07

Taiwan Today

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WHOがマラリア撃退呼びかけ、台湾には貢献可能な成功経験あり

2018/04/26
WHOが「マラリア撃退」のため、世界の団結を呼びかけた。中華民国(台湾)はマラリア根絶国として、マラリア対策やその予防・治療の経験で国際社会に貢献することが可能だという。写真は1965年、WHOが中華民国(台湾)を、マラリアを撲滅した国として認めた文書。(国家発展委員会公文書管理局サイトより)
4月25日は世界マラリア・デー。WHO(世界保健機関)はこれに合わせ、「マラリア撃退」のために世界が力を合わせるよう呼びかけた。中華民国(台湾)は1965年、マラリアを根絶した国としてWHOの認証を受けており、マラリア対策やその予防・治療の経験で国際社会に貢献することが可能だという。
 
WHOは今年、マラリア対策のテーマを「マラリアの撃退(Ready to beat malaria)」としている。2016年の感染者数は世界91カ国で合計2億1,000万人。2015年から500万人増えている。また、マラリアは今も大勢の人の命を奪っており、2016年にマラリアで死亡した人は世界で44万5,000人に達する。WHOは、世界は共に努力し、責任ある態度でマラリア撲滅という目標に向けて一致団結すべきだと強調、同時にマラリア防止のための投資を拡大するよう国際社会に呼びかけた。
 
マラリアはマラリア原虫に感染した蚊に咬まれることで人に広がる疾病。感染すると、悪寒や発熱、発汗などの症状が起きる。また、患者にほてりと寒気を交互に感じさせる他、激しい震えを引き起こす。日本占領時代、台湾でも毎年多くの人がマラリアで死亡した。
 
台湾では早くから化学的な殺虫剤の散布で対抗。これにより、人を刺した蚊が殺虫剤のまかれた壁にとまると死ぬようになった。この戦略が功を奏したことで、中華民国(台湾)は1965年、WHOからマラリアを根絶した国としての正式な認証を受けた。これは台湾における公衆衛生の歴史上、極めて優れた成果だった。また、この経験は「防疫」外交も実現。正式な国交があったサントメプリンシペ(現在は断交)のマラリア対策協力では著しい成果をあげた。
 
WHOの年次総会であるWHAは5月21日に開幕するが、台湾はまだ招待状を受け取っていない。中華民国(台湾)に友好的な国の多くは、WHOが国際社会の協力を呼びかける一方で台湾を排斥していることを疑問視し、WHOに書簡を送っては、台湾をオブザーバーとしてWHAに招き、参与させるよう要求している。
 
WHAの他、WHOは今年6月に、マラリアを根絶した国々による国際会議(Global forum of malaria-eliminating countries)を開く予定で、数十カ国の代表がマラリアに対抗した経験を紹介することになっている。台湾はこの面で貢献できる力を持っている。中華民国(台湾)に友好的な国々は、WHOが世界の利益を考慮し、台湾をこの会議に招いて積極的に参与させるべきだと訴えている。
 

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