2025/06/20

Taiwan Today

外交

台湾とエスワティニ王国、経済協力協定に署名

2018/06/11
経済部(日本の経済産業省に相当)の沈栄津部長(=大臣、写真右)は8日、アフリカ南部の国交樹立国であるエスワティニ王国(旧称:スワジランド王国)のJabulani Mabuza商工大臣(手前)と経済協力協定に署名した。蔡英文総統(左から4人目)と、台湾を訪問中の国王ムスワティ3世(左から3人目)が証人として立ち会った。(総統府)
経済部(日本の経済産業省に相当)の沈栄津部長(=大臣)は8日、アフリカ南部の国交樹立国であるエスワティニ王国(旧称:スワジランド王国)のJabulani Mabuza商工大臣と経済協力協定に署名した。蔡英文総統と、台湾を訪問中の国王ムスワティ3世が証人として立ち会った。同協定は、貿易、投資、加工輸出区、技術、人員交流及び協力の大きく5つの方面から両国の経済・貿易協力を促進するというもの。詳細は以下のとおり。
 
1.貿易
WTO(世界貿易機関)が定める権利と義務について再確認すると同時に、標準化、貿易の技術的障害、食品安全及び動植物検疫措置(SPS)、イノベーション、科学技術、マーケティングなど、今後の協力範囲を定義する。台湾はエスワティニ王国に対して、ショ糖、牛肉、豚肉、野菜、松の木、アパレル製品など153項目の商品について関税上の優遇措置を提供する。また、台湾はエスワニティ王国から輸入するショ糖について、年間8.1万トンまでゼロ関税を適用する。
 
2.投資
エスワティニ王国は定期的に会議を開催し、同国に進出する台湾企業のために投資障壁の改善に取り組む。また、台湾企業に対して投資誘致のためのインセンティブを提供する。さらに、アフリカで進む経済統合に台湾企業が参入しやすいよう、必要な情報を提供し、台湾の対アフリカ投資と貿易促進に協力する。
 
3.輸出加工区
台湾は、台湾で培った輸出加工区の経験をもとに、エスワティニ王国の経済特区と、マネジメントや研究・開発分野の経験を共有すると共に、その人材の育成に協力する。
 
4.技術
両国の技術協力の枠組みを確立し、農業、観光、環境、教育、情報通信、公衆衛生・医療などの領域の発展に協力する。
 
5.人員の交流と協力
専門家や学者の相互訪問を通して、双方が合意する産業協力分野において、研修、経験の共有、アドバイスの提供、専門家の育成などのスタイルを用いて、人員の交流に努める。また、産業のサプライチェーンに関して協力する。
 
昨年、台湾からエスワティニ王国への輸出額は742万米ドルで、エスワティニ王国からの輸入額は18万米ドルだった。両国の貿易額はそれほど大きくないものの、エスワティニ王国はアフリカの地域経済統合に積極的に参与しており、アフリカ20カ国余りから関税の優遇措置を受けている。また、欧州連合(EU)、米国、カナダ、日本、ラテンアメリカ諸国とも関税の優遇措置を受けている。こうした状況は、同国に進出する台湾企業がエスワティニ王国を介在して海外市場を開拓する際に有利となり、名目GDP約2.5兆米ドルと言われるアフリカ市場の商機の掌握にもつながる。
 

ランキング

新着