呉釗燮外交部長(外務大臣)は6日午前、「外交之友貢献奨(外交の友貢献賞)」を、友好国における医療協力プロジェクトに取り組んでいる奇美医療財団法人奇美病院、亜東記念病院、義大医療財団法人義大病院に贈り、これら3病院が長年にわたって「医療外交」の推進に協力してきた無私かつ卓越した貢献を表彰すると共に感謝した。
外交部(日本の外務省に相当)は長年にわたり、台湾の各医療機関の力をまとめて正式な外交関係を持つ国々での「医療協力プロジェクト」を行い、大きな成果をあげてきた。この取り組みは対象国の政府と現地の人々から高く評価され、感謝されている他、中華民国(台湾)がWHO(世界保健機関)参加を求めていく上で強力なサポートを獲得することにもつながっている。例えば奇美病院がエルサルバドルの厚生省と協力して推進する医療協力では、がんセンターの医師育成に協力している他、先進的な医療機器も提供、同国の医療水準向上に大きく貢献している。エルサルバドルの厚生大臣はこれに繰り返し感謝、WHOの年次総会(WHA)でも台湾を支持する発言を何度も行っている。
亜東記念病院は国際合作発展基金会(ICDF)と協力し、ベリーズで慢性腎不全予防プロジェクトを執行して大きな成果をあげている。現地で指導役となる看護師を育成すると共に、同国保健省が初めて全国的な検査を実施するのに協力した。亜東記念病院はまた、自主的に医師団を組織して同国に派遣、無償での診断や治療を行っている他、深刻な状況にある患者への手術も引き受けるなど、その思いやりの心と卓越した貢献はベリーズのメディアによって広く報道されている。
義大病院はエルサルバドル、ハイチの病院、及び「エルサルバドルにおけるマルタ騎士団公益協会(El Salvador National Association of the Sovereign Order of Malta)」と長期的に協力、人道的な無料診断や治療を行っている他、義大病院と同じグループ(義联集団)の義守大学医学部と共同で全英語課程の学士コース後の医学専門クラスを開設、友好国が第一線の医療人員を育成できるようサポートしている。友好国の医療水準向上に果たした貢献は明らかだという。
「外交の友貢献賞」授賞セレモニーであいさつした呉外交部長は、全人類の発展と国際的な対外援助の場から台湾が抜けることはありえず、台湾にはより重要な役割を担っていける力があると強調。呉外交部長は、政府と民間が公的機関と民間とのパートナーシップ(Public-private partnership, PPP)を引き続き深め、対外援助の意義をいっそう広げていけるよう期待すると共に、公衆衛生と医療面での支援を通じて友好国の人々に具体的な恩恵をもたらすことで台湾のソフトパワーと「心温かな」パワーを発揮しようと呼び掛けた。