蔡英文総統は今月12日から20日まで、中南米に位置する国交樹立国、パラグアイ共和国とベリーズを訪問する。総統府は8日午後、「同慶之旅」と名付けた中南米外遊での贈答品について、記者会見を開いて説明した。
パラグアイ共和国のオラシオ・カルテス大統領には、『領先群倫』と名付けた白磁のオブジェ。カルテス大統領のニックネームが「雄鶏」であることから、「雄鶏」をモチーフにした。鶏が一羽で立っている様子は、中国語の「一枝独秀（ほかと比べてひときわ優れている）」に通じ、且つ「領先群雄（群を抜く存在であること）」という意味を持つ。鶏の首に掛けられた赤いスカーフは、「赤党」とも呼ばれる同国の与党コロラド党の真っ赤な党旗を連想させる。また、台湾の農業社会において、鶏は家を助ける存在の象徴である。国民の声に耳を傾けるカルテス大統領にこれを贈ることは、蔡総統のカルテス大統領に対する祝福と敬意を意味する。
パラグアイの次期大統領に決まっているマリオ・アブド・ベニテス（Mario Abdo Benítez）氏に対しては、『空間』と名付けた木彫作品を贈る。樹木、ブドウ、ブドウのつたや葉、鳥などがあしらわれ、これらが支え合って共存している様子と、満ち溢れた活力を伝えている。円形を描いた樹木は、「圓融（それぞれのものが、その立場を保持しながら完全に一体となり、互いにとけあって妨げがないこと）」と「福気（幸運、幸せ）」を意味している。ベニテス新大統領の新政権が順調で円満なものになるようにとの蔡総統の願いが込められている。
ベニテス次期大統領の夫人であるSilvana López Moreira de Abdoさんには、台湾の陶器ブランド「法華窯」の茶器セット『慈暉富貴如意藍鵲組』（急須１点、湯呑2点）を贈る。牡丹の花をメインとしたデザインで、急須の取っ手にはタイワンヤマムスメの装飾があしらわれている。夫人の慈悲の心が周囲を明るく照らし、「富貴吉祥（富貴と吉祥に恵まれること）」を意味している。
赤い色のアクセサリーを好むというアリシア・プチェタ（Alicia Beatriz Pucheta de Correa）副大統領には、「紅玉髄（べにぎょくずい、カーネリアン）」の三連ネックレスを贈る。「紅玉髄」には「保護者」という意味がある。プチェタ副大統領は元最高裁判事であり、パラグアイの司法と正義の保護者としての意味を込めた。
次期副大統領に決まっているHugo Velázquez Moreno氏には、漆器『陽光仙鳥』を贈る。漆器職人である盧関中さんの作品で、太陽を中心に、台湾を代表する果物である芭蕉の葉（緑）、アップルマンゴー（黄）、屏東県産の蓮霧（レンブ）（赤）、巨峰（紫）を象徴する色で、農作物が豊かな宝の島を表現。実り豊かな台湾の作物を、国交樹立国の人々と分かち合いたいとの願いと、パラグアイの国家繁栄への祈りを込めた。
また、ベリーズのディーン・バロウ（Dean Barrow）首相には『雁領群雄』と題する白磁を贈る。雁（ガン）をモチーフにしたもので、夢に向かって前進する姿は、国民を率いて美しい生活を実現しようとするDean Barrow首相への祝福を象徴している。
首相夫人のKim Simplis Barrowさんには、鳳凰をモチーフにした『乗風翱翔』と題する白磁を用意した。夫人は長年、慈善事業に取り組んでおり、鳳凰のように人々に尽くしていることがその理由。
ベリーズのコルヴィル・ヤング（Colville Young）総督には、「漆線彫」と呼ばれる台湾特有の伝統工芸品の『封猴掛印』を贈る。タイワンザルをモチーフにした作品で、ヤング総督の干支が申（さる）年であることにちなんでいる。