「世界慰安婦の日」とされる14日、台湾の民間団体が台湾南部・台南市に慰安婦像を設置し、馬英九前総統がその除幕式に出席した。除幕式で馬前総統は、台湾の国会で昨年、「促進転型正義条例 (=移行期正義促進条例)」が可決されたことに言及し、「日本政府に対して、法律にのっとって謝罪と賠償を要求すべきだ。これこそ、元慰安婦にとっての『移行期の正義』だ」と述べた。
これを受けて外交部(日本の外務省に相当)の李憲章報道官は15日、台南市に慰安婦像を設置した民間団体と政府との関連を否定した上で、中華民国政府は台湾人元慰安婦の問題に高い関心を寄せており、慰安婦問題の解決と台湾人元慰安婦の尊厳を追求するという立場に変わりはなく、今後も日本政府との交渉を続けていくとの考えを示した。
なお、台南市の慰安婦像は、台南市慰安婦人権平等促進協会と名乗る団体などが設置したと伝えられている。
このほか、これまで台湾人慰安婦問題に取り組んできた財団法人婦女救援基金会が14日、台湾における日本大使館に相当する日本台湾交流協会台北事務所(台湾北部・台北市)前で、すでに死去、あるいは高齢のために自ら参加することができない59名の元慰安婦に代わり、日本政府に謝罪を求める抗議を行った。この団体はまた、日本の教科書が史実を記載し、悲惨な歴史を二度と繰り返すことがないよう求めた。