エレクトロニックスポーツ(eスポーツ)の対戦ゲーム、「カウンターストライク:グローバルオフェンシブ」の世界大会、「IEM Katowice 2019」への出場資格を争うオープン予選大会で、台湾のチームが、参加する予選エリアに「中国」を選択しなかったことで失格となった。これについて外交部(日本の外務省に相当)は7日、国際大会の主催者は特定の国家の政治的立場の関係で、競技者の権益をはく奪してはならないと訴えた。
大会の主催団体であるTurtle Entertainment社はドイツのケルンに本部を置いているため、外交部はまずドイツでの領事館に相当する駐ドイツ台北代表処フランクフルト弁事処に対し、主催者から事情を聴くと共に中華民国政府の強い関心と厳正な立場を伝えるよう指示、また、台湾の選手たちに与えられるべき同大会参加の権利を全力で守るよう求めた。外交部は、様々な国際大会に平等に参加できることは台湾の人たちにとって当然の権利だと主張、国際大会を主催する全ての団体は公正・公平の原則を堅持し、全ての出場者にその実力を発揮する機会を与えるべきで、特定の国の政治的立場の影響で出場者の権益を奪うことは出来ないと訴えた。
今年のオープン予選で台湾のチーム、SadStoryは「東アジア」地区予選に参加、6日には日本のチームに16対1で快勝したが、主催者はSadStoryが「中国」地区予選に参加しなかったことを理由に失格とした。CrazyFaceと名乗る選手はフェイスブックに、「自分たちは国籍問題で出場資格を取り消された。彼ら(主催者)は、自分たちは『中国』地区予選に出場しなければならないと言った」と書き込んだ。CrazyFaceさんによると、SadStoryは2年前から同大会に出場、これまでは「東アジア」地区予選もしくは「東南アジア」地区予選、並びにそれらエリアの招待試合に参加しており、出場した予選エリアの問題で資格を失うことは全く予想できなかったという。
CrazyFaceさんは、チームでは「中国」地区予選参加の必要性を意識したこともあったが、応募規定を詳しく調べた結果、それには「中国のパスポート」が必要だったと説明。今回の大会規則によれば、出場者の国家はパスポートで認定される。これについてCrazyFaceさんは、「自分たちのパスポートは緑色のTAIWANのもので、赤色のCHINAのものではない」と述べている。
主催者が大会の地区割りを説明した文献によれば、台湾は公式に認められたどの地区にも属していないが、「中国」地区予選には参加が可能だということ。