国家発展委員会(日本の省レベル)が10日、台湾がAPEC(アジア太平洋経済協力)の越境プライバシールールシステム(CBPRシステム)のメンバーとして認められたことを伝えるAPEC事務局からの通知を受け取ったと明らかにした。台湾は米国、メキシコ、日本、カナダ、韓国、シンガポールに続いて同システムに加わることになり、企業が海外でのビジネスチャンスを勝ち取る上でプラスに働くものと期待される。
プライバシーの保護は世界共通の目標で、EU(欧州連合)の一般データ保護規則(General Data Protection Regulation, GDPR)は今年5月25日に発効している。米国もAPECでのCBPRを強く推進し、国境を越えたデータの伝達と流通を促そうとしている。
台湾には個人情報保護の主務官庁(機関)が無いため、国家発展委員会の陳美伶主任委員(大臣)は今年2月に各省庁の合同調整会議を開き、それぞれが作業を分担することを確認した。そして国家発展委員会が申請のための書類をまとめた上で、3月8日に行われたAPEC第1回高級実務者会合(SOM1)でそれを提出。その後、台湾の関連法規や体制についてAPECに説明を重ねた結果、APECは11月23日に審査を完了、台湾は正式にCBPRシステムのメンバーとなった。
台湾は米国、メキシコ、日本、カナダ、韓国、シンガポールに続いてAPECのCBPRシステムに加わった。これまでの例では関連の手続きを終えるのに最短でも1年から1年半かかっており、台湾が8.5カ月で手続きを完了したのは審査が極めてスムーズに進んだことを意味する。
参加が認められた台湾は今後、政府が単一、もしくは複数の法人を認証団体(アカウンタビリティ・エージェント、AA)として指定する。その認証団体がAPECのCBPR認定を受ければ、台湾の企業や団体がCBPRに適合しているという認証を取得できるよう指導、協力することになる。現在、アカウンタビリティ・エージェントは米国と日本に各1団体あるのみで、台湾がCBPRによる認定を受けた同エージェントを設けることが出来れば、台湾の企業のみならず、他国の企業に対する協力も可能になるという。