2025/06/27

Taiwan Today

外交

科技部、新南向政策推進でスリランカ・豪州と技術提携

2019/02/27
科技部の支援のもと、国立中山大学は、スリランカ・スリジャヤワルダナプラ大学に「台湾・スリランカ環境変遷海外科学研究センター」を開設した。共同で環境問題などの研究に取り組む。(国立中山大学サイトより)
「台湾・スリランカ環境変遷海外科学研究センター(Taiwan and Sri Lanka Environmental Change Sciences and Technology Innovation Center 、TS/ECSTIC)」が、スリランカのスリジャヤワルダナプラ大学(University of Sri Jayewardenepura, USJP)において25日に正式に発足した。さらに同日、科技部(日本の文部科学省に類似)傘下の研究機関、財団法人国家実験研究院(国研院、NAR Labs)とオーストラリアのAustralian National Fabrication Facility(ANFF)は、協力覚書を交わした。
 
科技部(日本の省レベルに相当)は中華民国政府が進めている新南向政策を推進するため、台湾の大学や専門学校及び学術研究機関が新南向政策対象国において、現地の研究機構と共同で「海外科学研究・技術革新センター」を開設するよう奨励している。それらが科技部の海外拠点やハブセンターになるよう望まれている。国立中山大学(台湾南部・高雄市)は科技部の支援のもと、スリランカに「台湾・スリランカ環境変遷海外科学研究センター」を開設した。新南向政策とは東南アジア、南アジア、オーストラリア、ニュージーランドなど18ヶ国との関係強化を目指す台湾の重点政策の一つ。
 
スリジャヤワルダナプラ大学Director of World Class University ProjectsのProf. Ranil de Silva主任は、プレートの除幕式のあいさつの中で、台湾の科技部の財政支援によって、国立中山大学と共に海洋生物に関するさらなる研究協力が実現したことに対し、深い感謝の意を表した。
 
「台湾・スリランカ環境変遷海外科学研究センター」は今後、スリランカの沿岸地域の栄養塩と炭素の動態観測、地球温暖化がサンゴ礁、海洋生態系、海草地に及ぼす影響、科学技術を導入した次世代エビ養殖、陸域生態系の研究および保護を4大テーマとして全力で研究を進めていく。
 
一方、国研院とANFFの交流は2018年から始まった。25日には、科技部の鄒幼涵常務次長(=事務次官)とオーストラリア弁事処の経済及び政策処の呉国良副処長の立会いのもと、国研院の王永和院長とANFFのJane Fitzpatrick代表が協力覚書に署名した。双方の研究チームは、半導体及び関連機器技術の開発やイノベーションに注力する。国研院は研究員に次世代電子システムのワンステップサービスを提供、システムの研究・開発から品質検査までを担当、ANFFは最先端の設備を提供し、共同研究を進める。
 
ANFFはオーストラリアにおける非常に貴重な機器や設備を扱う国家機関。オーストラリアの主要な大学と共同研究室を開設し、最先端の機器や設備を保持している。学術界や産業界の研究員が、ポリマー、バイオ医療機器、ナノ光学、ナノ電子に関する先端技術開発及び運用に供している。
 
国研院は長期にわたり半導体製造プロセスおよび機器設備の開発などのコア技術を培ってきた。国研院台湾半導体研究中心(Taiwan Semiconductor Research Institute 台湾北部・新竹市など)は、世界で唯一、集積回路の設計、集積回路の製造及び半導体部品の製造過程の研究を統合した国家レベルの半導体科学技術研究・開発センターだ。また、国研院の儀器科技研究中心(Instrument Technology Research Center, ITRC)は、真空に関する科学技術、ナノプロセス、オプトメカトロニクスなどの中核施設を構築するとともに、技術サポートプラットホームとアプリケーション研究・開発プラットフォームを確立し、革新的な機器技術の開発を支援している。

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