2025/08/05

Taiwan Today

外交

地震工学研究センター、地震警報システム協力計画をインドで紹介

2019/03/21
国家地震工学研究センターがインドのグジャラート州と地震警報システムで協力。同州の地震研究所(ISR)がブジ市に設けている地震観測所に、現地型地震警報システム(写真)を設置した。(国家地震工学研究センター提供、中央社)
国家地震工程研究中心(国家地震工学研究センター)の専門家5人が台湾の地震警報システムのインドにおける普及に向けて今月12日から21日までインドのグジャラート州とニューデリーを訪問、関連の業務と表敬訪問などを行っている。これは科技部(日本の省レベル)による「智慧新南向計画」の一環。
 
国家地震工学研究センターは昨年、グジャラート州の地震研究所(ISR)と地震警報システムに関する協力協定を締結。今回はこの協定に基づき、ISRが同州カッチ県のブジ市に設けている地震観測所を訪れ、現地型地震警報システムを設置した。ISRはこれにより、同システムのテスト並びにその効果や精度の検証が行える。
 
国家地震工学研究センターはまた、グジャラート州での教育訓練も提供、台湾が有する地震警報モデルの開発に関するニューラルネットワーク技術の面でISRの専門家らと交流した。同時にISRと今後の協力計画、及び地震警報システムの未来の拡大方向についても話し合った。同センターでは、委託方式でISRをサポートし、西部高地で地震の危険度が高いとされる地区に10セットから20セットの現地型地震警報システムを設置する(このシステムは10セットで約22億米ドルが必要)か、あるいは技術移転方式で関連の技術をISRに与え、コンサルタントサービスを行う考え。双方はそして、次の段階となる地震警報システムの普及計画を最終確認した。
 
この他、国家地震工学研究センターの専門家5人は19日、ニューデリーでインド国家気象学及び地震学センター(National Center of Meteorology and Seismology,NCS)を表敬訪問し、Vineet Kumar Gahalaut主任らと対面。専門家たちがグジャラート州における協力プロジェクトの成果を説明したところ、同主任は大いに興味を示し、協力協定の締結、モデル観測所の設置、第一期設置計画の実施(地震観測ステーション10カ所を設置、国家地震工学研究センターが委託を受けて執行する)の順で台湾と提携する意向を明らかにした。
 
国家地震工学研究センターでは、地震警報システムに関するインドとの提携を通して、警報の様々な応用方法を開発する台湾企業のインド市場進出を後押しできる他、インドにおける地震防災サービスの全面的な整備を助けることで同システムをインドの都市交通システムや鉄道などの輸送業でも使ってもらえると期待しており、台湾とインドのウィン-ウィンを目指す考え。
 
中華民国(台湾)の駐インド代表処によれば、地震警報とスマート防災技術に関する台湾とインドの協力関係はすでに「新南向政策」の大きな成果になっている。「新南向政策」とは、東南アジア、南アジア、オーストラリア、ニュージーランドとの幅広い関係強化を目指す政策。駐インド代表処では、特にインド北部は地震帯で将来大規模地震発生の可能性が高いという研究結果も出ていることから、地震警報と災害防止の面で双方が協力することは生命と財産の損失を減らすことにつながると期待。台湾はその技術と力で南アジアに貢献できることを願っていると強調した。
 
 

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