2025/07/16

Taiwan Today

外交

国家海洋研究院発足で行政院副院長「研究力結集し、安全繁栄の海洋国家へ」

2019/04/29
陳其邁行政院副院長(=副首相、左から3人目)は24日、国家海洋研究院の設立セレモニーに出席し、「国家海洋研究院の設立によって台湾の海洋研究力を結集すると共にそれが台湾の国際組織及び国際会議参与につながり、台湾を安全で繁栄する海洋国家へと導いてくれるよう期待する」と述べた。写真はプレートの除幕式の様子。(行政院サイトより)
行政院(内閣)の陳其邁副院長(副首相)は24日、国家海洋研究院の設立セレモニーに出席した。陳副院長は、海洋国家である台湾は海洋関連の法律と政治、海洋科学研究、海洋生態系保護及び海洋産業などの面でいずれも傑出した人材を擁しているとし、国家海洋研究院の設立によって海洋研究の力を統合する考えを示した。さらに陳副院長は、同研究院の設立が台湾の国際組織及び国際会議参与につながり、台湾の海洋政策と世界とのリンクを深め、台湾を安全で繁栄する海洋国家へと導いてくれるよう期待した。
 
陳副院長は、台湾は海洋国家であるにもかかわらず、かつての政府がとった政策は「管理と制限」の態度に基づくもので、海岸線の多くが人々に開放されなかったと批判。一方で蔡英文政権発足後、行政院が海洋委員会(日本の省レベル)を「海洋首都」である高雄市(台湾南部)に設置したことは、海洋政策を政治の中心である台北市(同北部)から外し、より地元に密着させ、海に近づけることを象徴していると説明した。そして陳副院長は、それによってより豊かな民間資源を招き入れ、海に対する全体的な考え方を改めていきたいと希望した。
 
海洋委員会と国家レベルの海洋研究機関である国家海洋研究院はいずれも高雄市に設けられた。陳副院長は、これは海洋政策を中央政府が重視していることの表れだとし、今後は地方自治体と密接に連携し、高雄市における海洋関連産業のエネルギーを強めていくと強調した。
 
陳副院長はさらに、「コロンブスが新大陸を発見したころ、広大な海は無限の可能性に満ちていた。古代ローマの政治家、キケロが述べた『海を制する者は世界を制す』という言葉は今も実践されており、国の発展に対して海が持つ影響力の大きさと、海が今でも人類が学び、研究するに値する点を多く持つことを示している。特に生態系と経済などに関わる海洋資源だ」と述べ、国家海洋研究院の今後の取り組みに期待した。
 
国家海洋研究院は1年近い準備期間を経て、24日に高雄ソフトウェアテクノロジーパークで発足。主な任務は、海洋政策の策定、海洋資源調査、海洋科学研究、海洋産業と人材育成の発展などの面で海洋委員会をサポートすることであり、海洋に関する国のシンクタンクという位置付けになる。
 
 

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