台湾桃園国際空港(台湾北部・桃園市)とロシアの首都モスクワを結ぶ定期直行便が3年ぶりに復活した。ロシアの航空会社であるロイヤルフライトが運航する復路第1便が25日午後、台湾桃園国際空港に到着した。ロイヤルフライトは同空港で記者会見を開催し、台湾とロシアを結ぶ定期直行便の復活を祝った。
外交部(日本の外務省に相当)の曹立傑常務次長(=事務次官)は中華民国政府を代表し、到着ゲートでロシアからやって来た観光客を出迎え、一人一人握手をした。また、外交部特製の台湾の形をしたネックピロー(首枕)や台湾観光キャラクター「台湾喔熊(オーベア)」の形をしたネックピローなどの記念品を手渡した。観光客らは驚きながらも、台湾に到着するなり早速、台湾の人情味に触れることとなった。
中華民国政府はロシア人観光客の台湾誘致を目指し、2018年9月6日より、14日間以内の渡航で、観光やビジネス目的であれば、渡航査証(ビザ)を免除するノービザ措置を実施している。その成果は良好で、台湾を訪れるロシア人観光客は65%増加している。ノービザ措置の実施によって航空市場の需要が生まれたことから、ロシアの航空会社が台湾・ロシア路線への参入に意欲を示すようになり、台湾とロシアを頻繁に往来する台湾人ビジネスマンがその恩恵を受けている。今回、桃園とモスクワを結ぶ定期直行便が復活したことは、ロシアに対するノービザ措置によって生まれた具体的成果の一つである。外交部は、ノービザ措置と直行便の運航が起爆剤となり、台湾とロシアの観光、文化、商務など各方面での協力が強化されるほか、人的往来による交流がより深まるだろうと期待している。