新医薬品の品質・有効性・安全性の評価等に関する技術的なガイドラインを作成する医薬品規制調和国際会議(International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use、略称ICH)の年次会合が6月1日から6日まで、オランダのアムステルダムで開催される。昨年の会合で規制当局メンバーへの格上げが決まった台湾の衛生福利部食品薬物管理署(TFDA)は、今回の会合に正規会員として参加する。同署の呉秀梅署長が代表団を率いてICH関連の活動に積極的に参加するほか、作業部会の一つで議長を務める。
ICHは、米国医薬品食品庁(FDA)、欧州委員会・欧州医薬品庁(EC/EMA)、日本の厚生労働省・独立行政法人医薬品医療機器総合機構(MHLW/PMDA)、ヘルスカナダ、スイスメディック、台湾の衛生福利部食品薬物管理署など合計10組織の規制当局メンバーと業界団体などによって構成される国際組織。ICHガイドラインは世界公認の新医薬品審査基準であり、品質(Quality)、有効性(Efficacy)、安全性(Safety)、および複合領域(Multidisciplinary)の4つの領域の専門家によって構成される専門家作業部会(Expert Working Group)がこれを作成している。
台湾の薬品管理法規は一貫して、ICHと一致した基準を採用してきた。このため2018年6月に開催された年次会合で、衛生福利部食品薬物管理署がオブザーバーから規制当局メンバーに格上げされることが決まった。規制当局メンバーとなって1年足らずだが、衛生福利部食品薬物管理署の取り組みはとどまるところを知らず、ICH関連の活動への参加をより強化させている。これまでに台湾は、専門家30名以上を20以上のワーキンググループに派遣し、新医薬品に関する技術的なガイドライン作成に参加するなど積極的に貢献してきた。
台湾代表団は今回、各国の薬事規制当局や地域組織、業界団体などと共にICH年次会合に参加するほか、ICH ガイドラインの作成について話し合う専門家作業部会、IPRP (国際薬事規制当局プログラム)、それに薬事規制当局によるシンポジウムに参加し、薬事規制とその課題について各方面からアプローチし、議論することになっている。