中華民国(台湾)はこのほど、政情不安や深刻な物資不足が続く南米ベネズエラに対して薬品などの支援物資3.5トンを送り届けた。中華民国政府は、平和を愛する責任ある国際社会の一員としてベネズエラの情勢に関心を寄せており、米国など理念の近い国々と協力し、同国への支援活動を積極的に行っている。
中華民国(台湾)の代表は今年2月、米州機構(OAS)の米ワシントンD.C.本部で開催された、対ベネズエラ人道支援に関する国際会議「Global Conference on the Humanitarian Crisis in Venezuela」にも招待を受けて参加し、ベネズエラ難民を支援するために50万米ドル相当の物資を提供することを表明した。
外交部(日本の外務省に相当)の呉釗燮部長(=大臣)は今年6月、ベネズエラ国会の親台湾派グループのトップを務めるJesús Yáñez議員と会見した。Jesús Yáñez議員はこの際、ベネズエラの反政権派指導者、フアン・グアイド(Juan Guaidó)国会議長が率いる臨時政府の代表として、呉釗燮部長と共に、中華民国(台湾)からベネズエラに対する支援物資贈呈式を執り行った。
両国は数か月にわたってさまざまな困難を克服し、ついにベネズエラの国民が現在最も必要としている乳がん、肝臓がん、大腸がん、エイズの治療薬や新生児用エイズ検査キット、それに高血圧治療薬、水処理薬剤などの物資3.5トンをベネズエラ国内に送り届けることに成功した。これらの薬品は支援物資の第1弾となるもので、今後もその他の物資を送り届けることになっている。
これにより中華民国(台湾)は、ベネズエラの国民が必要とする医療物資を送り届けることに成功した数少ない国の一つとなった。これらの支援物資は、すでに関連の非政府組織(NGO)によって各方面に配布され、支援を待つ患者約10万6,000人に送り届けられた。これとは別に、清浄な飲用水とトラック3台を寄贈し、これらの救援物資がそれを必要とするベネズエラ国民の手に確実に送り届けられるよう協力している。