タイ地理情報・宇宙技術開発機関(GISTDA)は8月27日から29日まで、航空宇宙見本市「Thailand Space Week 2019」を開催し、ASEAN(東南アジア諸国連合)におけるタイの全地球航法衛星システム(GNSS)産業の発展性などについて展示を行った。
タイ地理情報・宇宙技術開発機関は国家実験研究院(NARLabs)国家宇宙センター(NSPO)と長年協力関係にあることから、今回のイベントでも台湾のリモートセンシング人工衛星が集めたデータをテーマにしたワークショップ「Workshop of Taiwan Data Cube(TWDC)」を開催した。ワークショップでは、台湾の地球観測データ・プラットフォーム「データキューブ(Data Cube)」の発展の成果や、台湾における人工衛星プロジェクトの成功の経験などが紹介された。
台湾の国家実験研究院(NARLabs)のタイ駐在事務所代表を務める楊善国氏は取材に対し、「台湾は2004年に人工衛星『フォルモサット2号』を打ち上げたが、使用したのは仏エアバスが製造した人工衛星だった。タイは2008年に、同じエアバスが製造した同型の人工衛星を打ち上げた。台湾とタイは同様の衛星プラットフォームを使用しているが、台湾のほうがタイより打ち上げが4年早かったため、その後のメンテナンスなどについて、タイが台湾に意見を求めることがあった」と明らかにした。楊善国氏はまた、「タイも人工衛星の国産化を目指している。台湾は2017年に国産人工衛星『フォルモサット5号』を打ち上げており、より多くの経験をタイと共有することができるだろう」と述べた。
タイGISTDAのDamrongrit Niammuad氏も、タイと台湾の航空宇宙事業での協力は3つの方面から進めることができると指摘した。第一は、台湾の人工衛星開発の経験に学ぶこと。台湾に関連技術について問い合わせるなどして、タイも今後4年以内に国産人工衛星を打ち上げることを目指す。
第二は台湾とタイの関連企業による技術交流の促進。第三は人材交流で、将来的にはタイと台湾の間で、航空宇宙分野の人材の交換訓練計画などを強化したい考えだと述べた。