2025/05/28

Taiwan Today

外交

陳副総統がローマ教皇に謁見、バチカンでの列聖式にも参加

2019/10/14
陳建仁副総統夫妻(中央の2人)がバチカンを訪問し、ローマ教皇フランシスコに謁見。列聖式に参加すると共に、明の時代に中国大陸で布教活動を行ったマテオ・リッチ司祭の研究室も訪問した。写真は列聖式でのもの。(駐バチカン大使館提供、中央社)
陳建仁副総統夫妻が13日午前(現地時間)、バチカンでの列聖式参加前にローマ教皇フランシスコに謁見した。謁見は夫妻がそれぞれ単独で行った。教皇フランシスコは陳副総統が記念にと贈った台湾の品々を大変喜んだという。そのうち1つは光啓社が撮影に2年費やしたというドキュメンタリー『利瑪竇(Matteo Ricci=マテオ・リッチ)伝』で、教皇フランシスコは光ディスクのジャケットを見るとすぐに、「これはマテオ・リッチだ」と驚いたという。教皇フランシスコはかねてから、明の時代に中国大陸に渡って布教活動を行ったイエズス会の司祭マテオ・リッチを大変尊敬しているということ。
 
もう1つの記念品は外交部(日本の外務省に相当)が発行している「台湾光華雑誌」の10月号。表紙になっている特集記事は「異国天使、用愛深耕」(異国からの天使、愛を広める)というタイトル。外国籍の神父であるYves Nalet, S.J.(南耀寧)さん、Father Gabriel Deleze(戴宏基)さん、Peter Nguyen(阮文雄)さん、修道女のAnuna, Mary O. L.(満詠萱)さんらが台湾の辺境に位置する集落で奉仕活動に努めてきたことが記されている。陳副総統はこの記事で、カトリックの神父たちが長年台湾のために奉仕してきたことに対する台湾の人たちの感謝の気持ちを教皇フランシスコに伝えたのだという。
 
今回の列聖式で聖人とされたのは5名。そのうちジョン・ヘンリー・ニューマン枢機卿(1801-1890)は19世紀の著名な神学者。その他はイタリアのジュゼッピナ・ヴァンニーニ修道女(1859-1911)、インドのマリア・テレザ・チラメル・マンキディヤン修道女(1876- 1926)、ブラジルのドゥルス・ロペス・ポンテス修道女(1914-1992)、スイスのマルグリット・ベイズ女史(1815-1879)。ドゥルス・ロペス・ポンテス修道女は一生を貧しい人たちへの支援に捧げたほか、労働者連盟とキリスト教徒労働者運動を推進、1988年にはノーベル平和賞にもノミネートされた。ドゥルス・ロペス・ポンテス修道女が所属した神の母の無原罪宣教女会は台湾にも支部があり、同支部である台湾聖功会からも修道女たちがバチカンに駆けつけ、ドゥルス・ロペス・ポンテス修道女が聖人として宣言されるのを祝った。
 
なお、陳建仁副総統は12日午後(現地時間)にはイタリア・マチェラータ司教区のマテオ・リッチ研究センターを訪問。陳副総統は、マテオ・リッチ司祭が代表する東西文化の出会いの意義を盛んに称えた上で、国家図書館(台湾北部・台北市)に「マテオ・リッチと太平洋」研究室が設けられていることを指摘し、将来より幅広い交流が実現するよう期待した。マテオ・リッチ司祭は明の時代に布教のため中国大陸に渡った先駆者の1人。現在の教皇フランシスコと同じイエズス会に属し、教皇フランシスコは談話の中で度々マテオ・リッチ司祭への敬意を示している。イタリアのマチェラータ司教区はマテオ・リッチ司祭生誕の地であることからマテオ・リッチ研究室が設けられている。また、マチェラータ司教区のNazzareno Marconi司教は今年8月に台湾北部・台北市を訪れている。
 
陳副総統によると、台湾とマチェラータ司教区は密接な関係を保っており、前任の司教、Claudio Giuliodori氏と現在の司教はいずれも来台経験がある。また、マチェラータ司教区に属するDon Micro Cichella神父は台湾南部・台南市の聖母昇天堂ですでに19年間奉仕活動を続けている。マチェラータ司教区に本部を置く「新求道共同体の道(The Neocatechumenal Way)」は信徒を大勢台湾に派遣して布教活動に協力しているとのことで、陳副総統は、Nazzareno Marconi司教が引き続き人員を台湾に送り込んで司牧活動を推進することを台湾は大いに歓迎すると伝えた。
 
 

ランキング

新着