国際航空運送協会(IATA)は民間航空の世界で代表的な業界団体で、いわば「世界の航空会社による同業組合」。会員は約120カ国の航空会社約290社に及び、台湾のチャイナエアライン(中華航空)、マンダリン航空(華信航空)、エバー航空(長栄航空)、ユニー航空(立栄航空)も会員として名を連ねる。
IATAがこのほど、台湾にトレーニングセンターを設けることが明らかになった。11月14日に運営がスタートする。IATAにとってアジアで6カ所目、世界では30カ所目のトレーニングセンターとなる。IATAの台北オフィスによれば、IATAは航空会社の安全な運営、業務効率の向上、並びに業務の拡大をサポートするため様々な人材の育成に積極的で、毎年全世界のプロフェッショナルや学生たち10万人以上に訓練を施している。しかし、台湾の関係者がこうしたトレーニングに参加しようとしても、海外に出かける費用や時間などで負担が大きく、参加意欲がそがれているという。
IATAはこのため台湾の航空業界のニーズに応じて台湾北部・台北市内にトレーニングセンターを開設することを決定した。教育担当スタッフとカリキュラムは全てIATA本部が計画し、台湾の民間航空業を世界とリンクさせ、さらなる発展を後押しするという。IATAが発表した来年の台湾における訓練カリキュラムによれば、安全管理に最も時間が割かれているほか、台湾の航空会社の職員が関心を寄せる疲労リスク管理に関する訓練も行われるという。
現在、IATAがアジアにトレーニングセンターを設けているのは、中国大陸の北京と上海、香港、韓国のソウル、シンガポールで、台北は6カ所目となる。