在バチカン中華民国大使館は14日、中華民国(台湾)を代表して、サージカルマスク28万枚をバチカン市国(=ローマ教皇庁)に寄付した。ローマ教皇庁直轄のバチカン薬局(Vatican pharmacy)のディレクターであるBinish Thomas Mulackal氏が贈呈式に出席し、ローマ教皇庁国務省、バチカン市国委員会議長の代理として、台湾の人々と政府に感謝した。
マスクの贈呈式は、在バチカン中華民国大使館で行われた。李世明大使が台湾を代表し、バチカン薬局のBinish Thomas Mulackal氏に対してサージカルマスク28万枚を贈呈した。贈呈式には、イタリア司教協議会のステファノ・ルッソ(Stefano Russo)氏、霊医会(聖カミリアン)ローマ分会の修道士・修道女なども参加した。
ルッソ氏は、台湾がバチカン市国に対してサージカルマスクを寄付したことに感謝すると共に、そのうち15万枚はバチカン薬局を通してイタリア全土にある227の教区に配布し、神職者や最前線で働く医療関係者に使ってもらうこと、さらにはいくつかのカトリック系の病院にも提供する予定であることを明らかにした。
聖カミリアンを代表して出席したDonato Cauzzo神父は、このほど台湾で奉仕するイタリア出身の聖職者、天主教霊医会の呂若瑟(Giuseppe Didone)神父の呼び掛けに多くの台湾住民が呼応し、新型コロナウイルスの感染拡大で苦境に陥っているイタリアを助けるため、わずか6日間で1億台湾元(約3.6億日本円)を超える寄付が集まったことに感謝した。
在バチカン中華民国大使館の李世明大使は、「台湾ではすでに、国民全員がマスクを着用するようになっている。マスクの着用はウイルスの拡散抑制に非常に有効な方法と見なされている。台湾はMade in Taiwanの質の高いサージカルマスクを大量に寄付することで、ローマ教皇庁と、それに属するイタリアの各教区がこの苦境を乗り越えられるよう協力したい」と述べた。
これらのサージカルマスク28万枚は、中華民国(台湾)が欧州連合(EU)に寄付したマスク700万枚の一部。9日に空輸でドイツのルクセンブルク空港に到着し、その後、当初の計画どおりにその他の欧州諸国に分配され、輸送された。
ローマ教皇庁に寄贈するマスクが入った段ボールには、いずれも中華民国(台湾)とバチカン市国の国旗がプリントされていた。これは、双方の友好関係と、新型コロナウイルスにともに立ち向かうという姿勢を示す意味がある。また、「Health for All」、「Taiwan is Helping」などのスローガンがプリントされたシールは、世界保健機関(WHO)への参加を希望する台湾の立場を示すものとなっている。