2025/05/11

Taiwan Today

外交

バチカンのホームレスのため台湾がツナ缶などを寄付、ローマ教皇には「電鍋」を

2020/04/28
新型コロナウイルスの拡大で困窮するホームレスの人々への支援をローマ教皇が訴えていることを受け、台湾がツナ缶とパイナップルの缶詰、大型の電気釜などをバチカンに寄付した。写真は「和解の道」で行われた寄付のセレモニー。中華民国の李世明駐バチカン大使(右)がコンラート・クラジェウスキー枢機卿(左)に寄付の品々を手渡す。(中華民国駐バチカン大使館提供、中央社)
新型コロナウイルスの感染が広がる中、いっそう困窮しているホームレスの人々に対する思いやりをローマ教皇が訴えていることを受け、中華民国(台湾)が27日、台湾から輸送されたツナ缶1,440個とパイナップルの缶詰1,440個、そして60人分のコメなどを炊ける大型の「電鍋」(電気釜)をバチカンに寄付した。担当の枢機卿はこれに対し、「台湾は人道的な支援に関するローマ教皇の呼びかけに最も積極的に呼応している国だ」と絶賛した。
 
台湾は今年2月末、台湾南東部・台東県の池上郷で生産された米をバチカンに寄贈している。外交部(日本の外務省に相当)はこれを踏まえて今回、この米をローマ教皇に食べてもらうため台湾で広く使われる万能調理器「大同電鍋」2台をローマ教皇に、そして台湾の著名な菓子のパイナップルケーキをローマ教皇と枢機卿に贈った。バチカンで貧しい人々への慈善活動を担当しているコンラート・クラジェウスキー(Konrad Krajewski)枢機卿は、台湾によるツナ缶などの寄付について直接ローマ教皇に報告する考えを示し、困難な状況の中で台湾の人々と政府が支援してくれることに感謝すると述べた。
 
ローマ教皇と慈善活動で働く料理人が「電鍋」の正しい使い方を知らないだろうことを気遣い、台湾が寄付した「電鍋」にはみな、イタリア語で詳細に書かれたイラストと解説が添えられているほか、電圧もヨーロッパで使われる220ボルトに調整されている。こうした行き届いた配慮の数々はコンラート・クラジェウスキー枢機卿を大いに感動させた。
 
バチカンに対して外交部は先ごろ、サージカルマスク28万枚も寄付しており、今回はそれに続いてツナ缶とパイナップルの缶詰、「電鍋」などを寄付したことになる。
 
中華民国の駐バチカン大使館は27日、サン・ピエトロ大聖堂前の「和解の道(コンチリアツィオーネ通り)」で寄付の式典を行った。コンラート・クラジェウスキー枢機卿は神に仕える者に身分の差は無いとし、これらの食糧をただちにホームレスの人たちに配布する考えを明らかにした。同枢機卿はまた、パイナップルの缶詰に小さなフォークが添えられていることはホームレスの人たちが食べるのにとても便利だと感心。感染の拡大が深刻な中、こうした果物の缶詰はホームレスの人たちのビタミン補給を助けるとその効果も評価した。
 
バチカンの公式ウェブサイト「バチカン・ニュース」の報道によれば、常に仕事を人任せにしないコンラート・クラジェウスキー枢機卿はさきごろ台湾からサージカルマスクを寄付されるとすぐさま蛍光色のベストを着込み、駅周辺でホームレスの人たちにマスクを配ったという。
 
 

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