オランダは27日、国王ウィレム=アレクサンダーの誕生日を祝う「国王誕生日(King’s Day)」だった。オランダの対台湾窓口機関であるオランダ貿易暨投資弁事処(Netherlands Trade & Investment Office)は同日、フェイスブックページでこの日が「国王誕生日」であることを明らかにした上で、新型コロナウイルスの感染が世界各地に広がる中、例年のような祝い方はできないが、今年はオランダの国花であるチューリップ3,999本を空輸で台湾に運ぶことで、最前線で新型コロナウイルスと闘う台湾の医療従事者に敬意を示したいとする文章を投稿した。
オランダ貿易暨投資弁事処のGuy Wittich代表(=駐台大使に相当)はこの日、オランダから空輸で運ばれたチューリップを持参し、中華民国(台湾)外交部の呉釗燮部長(=外相)を表敬訪問した。また、オランダ貿易暨投資弁事処の職員たちが、オランダの国旗に使われている赤、白、青の三色のリボンで花束を作り、特製のカードを添えた上で、これらをオランダ発祥の洋菓子であるストロープワッフルと一緒に、中央感染症指揮センター(新型肺炎対策本部に相当。中国語の正式名称は中央流行疫情指揮中心)、新型コロナウイルスの重症患者を受け入れている感染症指定病院や一部の公立病院、それに台湾桃園国際空港(台湾北部・桃園市)など合計29か所に贈った。
台湾では医療・防疫関係者の無私の奉仕、支え合いの精神、厳しい水際対策などによって、「台湾の奇跡」が作られている。オランダ貿易暨投資弁事処によると、チューリップを贈ることは、こうした人々に感謝するのが目的。また、台湾とオランダの友好関係がさらに深まることや、次の春には互いに屈託のない笑顔で会えるようにとの願いも込めたとしている。
なお、オランダ貿易暨投資弁事処のGuy Wittich代表はこの日、組織の正式名称を「オランダ在台弁事処(Netherlands Office Taipei)」に変更することを明らかにした。近年では、英国、オーストラリア、日本などが相次いで対台湾窓口機関の名称を変更しており、これに続く動きとなる。外交部の呉釗燮部長は、新しい名称への変更について、台湾とオランダの両国関係の進展につながるものだと歓迎した上で、今後も各分野で両国の関係が深まるよう期待を寄せた。