2025/05/16

Taiwan Today

外交

国交樹立国5か国がWHOテドロス事務局長に書簡、台湾のWHO総会招請求める

2020/05/07
中華民国(台湾)と正式な外交関係を持つニカラグア、パラオ、エスワティニ、セントルシア、マーシャル諸島がこのほど、それぞれWHOのテドロス事務局長に書簡を送り、台湾をオブザーバーとしてWHO総会に招請するよう求めた。写真は2019年に撮影したWHO総会の会場。(中央社)
WHO(世界保健機関)は5月18日と19日の両日、第73回WHO年次総会をテレビ会議の方式で行う。WHOの法務責任者であるスティーブン・ソロモン氏はこのほど、WHO総会への台湾の参加可否については「加盟国が決めることで、WHO事務局は決定の権利を持たない」との見方を示した。これに対して中華民国(台湾)外交部(日本の外務省に相当)は、「議事規則と前例から見て、WHO事務局長は台湾のオブザーバー参加を認めるかどうかを決める裁量を持っている」と反論している。
 
中華民国(台湾)の国交樹立国の一部はすでに、今年のWHOへの台湾のオブザーバー参加を求める声を上げている。ニカラグア、パラオ、エスワティニ、セントルシア、マーシャル諸島はそれぞれWHOのテドロス事務局長に正式な書簡を送り、台湾をオブザーバーとしてWHO総会に招請するよう求めている。その他の国交樹立国も今後、同様の行動を取るとしている。
 
そのうちセントルシアは、Sarah Flood-Beaubrun外相がWHOのテドロス事務局長に宛てた書簡の中で、「中華民国(台湾)をオブザーバーとしてWHO総会に招請すること」を追加議題項目として採択するよう明確に求めると共に、決議草案を添付し、テドロス事務局長がこれをWHO総会の正式文書としてその他のWHO会員国に送るよう求めている。
 
外交専門誌『Foreign Policy』も最近の報道で、米国や日本が、オーストラリア、英国、フランス、ドイツなど理念の近い国々と一緒になって、連名でテドロス事務局長に書簡を送り、台湾のWHO総会招請を求めるなど、台湾のオブザーバー参加を巡る問題はますます白熱化していると伝えている。
 
国交樹立国5か国がテドロス事務局長に宛てた書簡の概要は以下のとおり。
 
★★★★
 
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)は、包容性と、そしてグローバルな公衆衛生のネットワークから「誰ひとり残さない」ことの緊急性と重要性を改めて浮き彫りにした。このため第73回WHO年次総会で、台湾のオブザーバー参加について議論することは必要不可欠であり、タイミングとして適切なものだ。
 
中華民国(台湾)はすでに、他国の援助を受ける立場から、人道主義に基づいて他国を支援する立場へと転換し、他国の公衆衛生能力の向上に積極的に協力している。台湾がWHOに参加することは、世界の感染症対策と感染症予防能力を高めるのに極めて大きな力となるだろう。台湾がWHOに参加することは台湾に住む2,300万人の健康の権利を保障するだけでなく、全世界にとっても有益なことだ。
 
感染症のパンデミックに関する台湾の専門知識は非常に重要だ。このため、台湾がWHO関連の治験やラボの議論に完全な形で参加できないことは、極めて大きな問題である。
 
台湾がオブザーバーの身分で今年のWHO年次総会に参加できること、また、台湾が完全な形でWHOのあらゆる会議、メカニズム、活動に参加できるよう求める。
 

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