2025/07/10

Taiwan Today

外交

チェコのミロシュ・ビストルチル上院議長、9月上旬に訪台

2020/06/10
チェコ共和国のミロシュ・ビストルチル(Milos Vystrcil)上院議長は9日、中華民国(台湾)立法院(=国会)の游錫堃院長(=議長)の招きに応じ、今年9月上旬にチェコ上院議員や企業関係者を率いて台湾を訪問する計画を明らかにした。游錫堃院長は9日、ビストルチル上院議員が訪台を決めたことを喜び、その情報を自身のフェイスブックで分かち合った。(游錫堃院長フェイスブックより)
チェコ共和国のミロシュ・ビストルチル(Milos Vystrcil)上院議長は9日、中華民国(台湾)立法院(=国会)の游錫堃院長(=議長)の招きに応じ、今年9月上旬にチェコ上院議員や企業関係者を率いて台湾を訪問する計画を明らかにした。チェコと台湾の二国間関係強化が目的。これについて中華民国(台湾)外交部はニュースリリースを発表し、ビストルチル上院議長の訪台を歓迎すると共に、立法院と協力して準備を進め、ビストルチル上院議長一行の訪問に必要な各種協力を提供する考えを示した。
 
ビストルチル上院議長は今年2月末、急死したヤロスラフ・クベラ(Jaroslav Kubera)前上院議長の後任として議長に選出された。チェコ上院は今年5月20日に表決を行い、賛成50対反対1の圧倒的多数で上院議長の台湾訪問を支持する決議を採択した。ビストルチル上院議長自身も今年4月15日、上院での挨拶の中で、中華民国政府によるサージカルマスクの無償提供に感謝すると共に、台湾の新型コロナウイルス対策の成果を絶賛し、世界保健機関(WHO)に台湾が参加することを支持する立場を強調している。
 
近年、台湾とチェコの実質関係が強化され、民間レベルの往来も活発化している。台湾からチェコを訪れる観光客は2年連続で過去最多を更新した。今年2月、チェコの国営ラジオ局が実施した世論調査でも、回答者の3分の2が台湾との関係強化を望んでいることが明らかになった。
 
なお、ビストルチル上院議長が台湾訪問を発表した記者会見の終了後、偶然にも民間人から中華民国とチェコ共和国の友好の象徴として、両国の国旗を描いたケーキが届いた。ケーキにはチェコ共和国の初代大統領を務めたヴァーツラフ・ハヴェル氏の名言「自由の価値こそ我々の価値」の文字が書かれていた。ビストルチル上院議長も台湾訪問の動機について、ヴァーツラフ・ハヴェル氏が中心となって推し進めたビロード革命からの伝統を振り返り、自由、民主、法治こそがチェコの代表的な価値観であることを強調していた。
 
ヴァーツラフ・ハヴェル氏は生前、台湾の民主化と、外交上の苦境に屈しない精神を高く評価しており、退任後の2004年に台湾を訪問したことがある。
 
チェコ共和国の憲法によると、上院議長は大統領に次ぐ国のナンバー2となる。ビストルチル上院議長の台湾訪問が実現すれば、チェコの現職の政府高官の訪台としては最高位となる。これはチェコならびに欧州の対台湾関係に対して一定の象徴的意義を与えることになる。
 

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