米国のアレックス・アザー(Alex Azar)厚生長官を乗せた米空軍C-40B専用機が9日午後4時48分、松山空港(台湾北部・台北市)に降り立った。同行者は米厚生省の事前準備対応次官補(ASPR)であるロバート・カドレック(Robert Kadlec)氏、米国在台協会(AIT)のジェームズ・F・モリアーティ会長、米厚生省のブライアン・ハリソン(Brian Harrison)首席補佐官など。
松山空港には外交部(日本の外務省に相当)の田中光政務次長(=副大臣)、衛生福利部疾病管制署(=台湾CDC)の周志浩署長、外交部北米司の徐佑典司長、それに米国在台協会(AIT)台北事務所のウィリアム・ブレント・クリステンセン代表(=駐台大使に相当)らが駆けつけ、アザー厚生長官の一行を出迎えた。
アザー厚生長官らは飛行機を降りた後、台湾の関係者と簡単な挨拶を済ませたあと、空港内の指定の場所に移動した。一行は新型コロナウイルス対策のため全員マスクを着用し、台湾の関係者との握手も行わなかった。
米国の内閣構成メンバーによる訪台は6年ぶりとなる。2000年にはロドニー・スレイター運輸長官(当時)が、2014年にはジーナ・マッカーシー環境保護庁長官(当時)が訪台したが、「大統領継承法」による大統領権限の継承順位によれば、厚生長官の順位はこれらを上回るため、アザー厚生長官は1979年に中華民国と米国が断交して以降、台湾を訪れる最高位の米閣僚ということになる。一行は蔡英文総統、衛生福利部の陳時中部長(=日本の厚労相に相当)など中央省庁のトップと会見することになっている。
アザー厚生長官一行の訪台を受けて外交部は同日、「アザー厚生長官一行の歴史的訪問を心より歓迎する。この訪問が台米の感染症対策及び医療・衛生協力の強化につながると信じている」とするニュースリリースを発表した。