中華民国(台湾)が国交のある国々に提供する国産のコメを今年は3,600トン増やす。行政院農業委員会(日本の農水省に相当)農糧署の胡忠一署長が23日、花蓮県(台湾東部)で行われた「国産雑糧加値成果及光豊小農店舗」(国産穀物の付加価値拡大成果及び光豊地区の小規模農家による店舗)開幕イベントで明らかにした。「雑糧」はピーナッツ、トウモロコシ、サツマイモ、大豆、小麦、ゴマ、コーリャン、アワ、アズキなどを指す。
胡忠一署長はエプロン姿で自ら豆乳を作って見せて国産「雑糧」を大いにアピール、同時に地元農家による加工品を日本や米国に売り込み、より大きな付加価値を生み出していくことを約束した。また、中国で食糧が不足するとの見方に対しては、「相手が買うなら提供する」と述べ、台湾に十分な量があることを説明した。
胡署長によると、台湾におけるコメなど主食の生産量は年間90万トン近く。糧食管理法に基づけば、年間の備蓄量は30万トンあればよく、現在の生産量はその約3倍に達する。このため胡署長は、中国でこれらが不足して購入を希望するならば台湾は提供する力もその用意もあると述べた。
胡署長はさらに台湾での食料自給率が年々増加していることを指摘し、主食は他国に供給するに足る量があると説明。例年、国交のある国々に年間約2万トンから3万トンのコメを提供しているが、今年は蔡英文総統の指示により、さらに3,600トン増やして友好国を支援すると述べた。