中華民国(台湾)が米国との軍事交流を引き続き強化する。来年度の国防費に関する予算案はすでに立法院(国会)に送られているが、その内容によれば、国防部(日本の防衛省)は来年、米国での「華美戦略能力合作研究案」(中華民国と米国の戦略的能力を用いた協力に関する研究計画)に人員を派遣し、米国防総省の戦略的能力室(SCO)と交流する。双方の戦略的能力の開発成果を以って将来の脅威に備えると共に、両国間における戦略対話のルートも維持することにしている。
予算報告書でも米国との交流に多く触れており、国防部の総士官長がハワイを訪問し、米軍のインド太平洋軍司令部の幹部と会談するほか、士官による合同作戦と訓練について検討することが計画されている。目的は米軍の経験を学び、中華民国軍における士官制度改革の参考にすること。
また、国防部情報参謀次長室も訪米して中華民国と米国の軍用地図会議に参加し、陸海空の軍用地図データ交換による効果を検証、同時に科学技術の新知識を収集する。さらに様々な技術交流、人員訓練、次の年度の軍用地図データに関する交流のニーズなどを議論することで、台湾と米国双方が地理空間に関する情報を交換することの成果を広げる。
そのほか、陸海空の三軍や「資通電軍」(サイバー軍)でも訪米しての交流計画が立てられており、新型戦車計画管理会議やミサイルに関する専門技術シンポジウム、サイバー部隊による見学や交流、空運護衛計画、「国際魚雷使用国年会(総会)」、F16A/B戦闘機の性能向上計画管理会議、米国で開かれるセキュリティ関連の会議であるBlack Hat大会などが挙げられている。
台湾は現在、国産潜水艦の建造を推進している。このため海軍も米国での「潜水艦聯盟研討会」(潜水艦連盟シンポジウム)に人員を派遣し、潜水艦の作戦、安全、建造などの面で米軍の現役及び退役幹部、ならびに潜水艦メーカーなど関連企業の代表と話し合うことにしている。