「アフリカの角」と呼ばれるアフリカ東部に位置するソマリランド共和国が9日、台湾北部・台北市中正区に代表機関を開設した。外交部外交及び国際事務学院(台北市大安区)の1階ロビーで行われた銘板除幕式では、中華民国(台湾)外交部の呉釗燮部長(=外相)とソマリランドのMohamed Omar Hagi Mohamoud駐台代表が祝辞を述べたほか、ソマリランドのムセ・ビヒ大統領が寄せたビデオレターが公開された。
中華民国(台湾)とソマリランドは今年2月、公式な代表機関を相互に設置することで合意。8月17日にはまず、中華民国(台湾)がソマリランドに「台湾駐ソマリランド共和国代表処(Taiwan Representative Office)」を開設した。
外交部の呉釗燮部長は、「台湾は近い理念を持つパートナーであるソマリランドと2009年以降、公衆衛生、保健、教育、海上保安等の分野で緊密な協力関係にある。今後も引き続き漁業、エネルギー、農業などの分野で共通利益を模索していきたい」と述べた。
呉釗燮部長はまた、「台湾とソマリランドは、自由、民主主義、正義、法治といった価値を共有し、それを守る決意を持っている。双方とも同じように外部からの圧力に直面しているが、国家主権を持つことを誇りに思い、これを維持したいと考えている。台湾は、『アフリカの角』に位置し、台湾と近い理念を持つパートナー、ソマリランドと緊密な協力関係を展開していきたい」と抱負を述べた。
また、ソマリランドのムセ・ビヒ大統領はあらかじめ録画していた動画で、「世界経済の重心の移動に伴い、アフリカの角、紅海、アデン湾などの地域に国際社会が関心を寄せるようになっている。いまこそソマリランドと台湾、そして各国が共通利益を核心とした二国間関係を強化し、貿易などの往来や経済協力を推進する絶好のタイミングだ」と述べた。
8月7日に台湾入りしたというソマリランドのMohamed Omar Hagi Mohamoud駐台代表は、「ソマリランドは近い理念を持つ国と貿易、安全保障、国の発展などの分野で協力する意欲を持っている。今日の式典はソマリランドと台湾の特殊な二国間関係の進展を象徴するものだ。双方はこれから貿易やインフラ建設への投資を強化し、経済発展に力を入れていきたい」と述べた。
Mohamed Omar Hagi Mohamoud駐台代表はまた、「ソマリランドは自由、民主主義、主権独立の民族国家であり、すでにアフリカ、北米、欧州、アジアの多くの国々と二国間関係を築き上げている。ソマリランドと台湾の二国間協定は自由と民主主義を共有するという核心的価値観に基づくものだ。協定の調印は、双方が共通利益に基づき、公平な貿易と経済協力の推進によって二国間関係を強化できるようにするためで、その分野は教育、公衆衛生・保健、農業、エネルギー、鉱業、情報通信技術に及ぶ」と述べた。