呉釗燮外交部長(外務大臣)は28日、蔡英文総統に代わって8人の無任所大使を昼食会に招き、これら無任所大使の外交面での貢献に感謝した。招かれたのは呉運東、簡又新、郭旭崧、紀政、詹宏志、陳正然、布興・大立、芙厄阿・布達爾の各無任所大使で、昼食会では向こう1年の目標についての意見も交わされた。
呉外交部長はまず、女性のエンパワーメントやデジタルテクノロジー、医学と公衆衛生、信仰の自由など様々な分野で台湾が持つ可能性を指摘、台湾はその強みを生かし、政府とNGOの力を合わせて、これからもこれらの分野で各国との結び付きを強めていくべきだと訴えた。呉外交部長は特に、「信仰の自由の促進は我が国の重要な核心的価値だ」と強調、昨年3月に台湾で開いた「インド太平洋地域における信仰の自由を守るための公民社会対話」会議では、米国をはじめとする各国の宗教界のリーダーたち、ならびに市民団体の代表たちと交流出来たとし、同会議で布興・大立大使が台湾における信仰の自由の現況とその成果を紹介したことを称えた。
簡又新大使は今年7月に「2020年気候変動及び持続可能な発展」オンラインシンポジウムを開き、関連分野における産官学の専門家や学者たちがパリ協定(気候変動抑制の協定)や気候変動に関する国際的な協議の進展状況について話し合う機会を設けたことを説明。また、呉運東大使は世界の医学界に持つ人脈を生かして中華民国医師公会全国聯合会(TMA)が世界医師会(WMA)の活動に参加できるよう協力、さらにTMAが友好的な国々の医師団体に台湾への支持を要請する書簡を送れるよう外交部にサポートさせた。芙厄阿・布達爾大使は、台湾とオーストロネシア語族の歴史的なつながりを紹介、これからも文化と歴史面での絆を通して交流を深めていく考えを示した。
無任所大使たちはいずれも、引き続き政府に従って関連の業務にあたり、地球規模の重要な問題において台湾の可視性を高められるようそれぞれの専門分野で台湾の外交に力を尽くしていくと強調。また、台湾のNGOや文化・教育・工業・商業などの団体が世界との結び付きと提携を強められるよう協力していく姿勢を示した。