10月30日午後、エーゲ海を震源とするマグニチュード7.0の強力な地震が発生し、トルコとギリシャで甚大な被害が生じた。各国から続々とお見舞いのメッセージが届く中、トルコのエルドアン大統領は10月31日にツイッターを更新し、各国への謝意を伝えた。エルドアン大統領はその際、各国の国旗のアイコンや国際組織のロゴなど合計100点をまとめた画像を3分割してツイートした。しかし、翌日になってそのうち中華民国(台湾)の国旗のアイコンが掲載されていた3つ目のツイートを削除。その後、中華民国国旗だけ削除した画像を再掲載した。
これを受けて中華民国(台湾)外交部(日本の外務省に相当)は2日、画像差し替えの原因について、中国政府からの圧力が認められたことを明らかにした。外交部の呉釗燮部長(=外相)は、中国が人道的行為にまで干渉し、圧力を加えることを非難すると共に、これによって台湾がひるむことはなく、今後も国際社会への援助を続けていくと述べた。
呉部長によると、エルドアン大統領のツイートが修正されたいきさつについて、中華民国の在外公館に相当する組織を通して調査したところ、中国の干渉と圧力があったことが判明した。呉部長はこれについて、「中国がこのような政治とは関係ない人道的行為に対しても干渉し、圧力を加えることを遺憾に思う。また、中国の行為を強く非難する」と述べた。
外交部によると、トルコ西部エーゲ海地方イズミル県を震源とする地震の発生直後、中華民国政府は直ちにトルコ政府及び国民に対してお見舞いのメッセージを伝えた。外交部はこれについて、「人溺己溺、人飢己飢(他人が溺れていることを自分が溺れていることとみなす、他人の飢えを自らのこととする=人の苦しみをわが事ととらえる)」の人道的精神に基づくものだと強調している。
呉部長は、「台湾は人道立国だ。助けを必要とする場所があれば、中国の圧力があったとしても決してひるまない。例えばトルコ、フィリピン、ベトナム(最近自然災害が発生した国々)など、必要さえあれば台湾はいつでも支援の手を差し伸べる用意がある。これからも、トルコを含む国際社会に対し、直ちに人道支援を提供し、台湾の善良なパワーを見せつけたい」と述べている。