2025/05/20

Taiwan Today

外交

中国機、台湾のADIZの双方向で飛行

2021/03/31
国防部(日本の防衛省に相当)の発表によると、今月29日、中国機10機が台湾南西の海域から防空識別圏(ADIZ)に侵入した。さらに、日本の防衛省統合幕僚監部が同日公表した情報によると、中国の情報収集機Y-9(運9)1機が台湾東部の海域まで飛行していた。同じ日にADIZの双方向で中国機の飛行が確認されたことを受け、国防部は「国軍にも最低限のラインと原則がある」と述べた。写真は29日に台湾のADIZに侵入した早期警戒管制機KJ-500(空警-500)。(国防部サイトより)
国防部(日本の防衛省に相当)の発表によると、今月29日、中国人民解放軍が所有する早期警戒管制機KJ-500(空警-500)1機、対潜哨戒機Y-8 (運-8)1機、戦闘爆撃機J-16(殲16)4機、J-10(殲10)4機の合計10機が、台湾南西の海域から防空識別圏(ADIZ)に侵入した。また、そのうちY-8(運8)はADIZ侵入後、台湾南東の海域へ抜けたあと、もとのルートをたどって再びADIZに侵入し、南西海域へ抜けるという動きを見せた。さらに、日本の防衛省統合幕僚監部が同日公表した情報によると、中国の情報収集機Y-9(運9)1機が台湾東部の海域まで飛行していたことが分かった。
 
同じ日にADIZの双方向で中国機の飛行が確認されたことを受け、国防部は30日、「国軍にも最低限のラインと原則がある」とし、対応を講じる構えを示した。一方、専門家はADIZの双方向からの飛行は「最大の脅威」には当たらないとしながらも、「台米関係の進展に対する中国の不満を示すもの」と分析している。
 
国防部の報道官を務める史順文少将は30日午前に行なわれた定例記者会見で、国軍は台湾海峡周辺における中国機、軍艦等の動向を十分把握しており、戦備規定に基づいて対処し、国家の安全を守っていると強調した。また、台湾を仮想敵と見なした中国人民解放軍の演習について、国軍はいかなる状況も「料敵従寛(=敵情を過大視して侮らない)」を原則として研究し、敵が採取する可能性のある行動方針(COA)案に加えて検討し、各種準備に役立てると説明した。
 
空軍の黄志偉参謀長も、「空軍は中国機の台湾AIDZ侵入の動きについて十分把握し、適切な対応をとり、脅威のレベルを分析している」とした上で、「我々にも最低限のラインと原則はある」と述べた。但し、「対応」の手段は多様で、戦闘機、輸送機、あるいは地対空ミサイル・レーダーシステムによる追跡・監視、電子戦など空中と地上の戦術を使い分け、中国人民解放軍が意図する「消耗の罠」に陥らないよう注意する必要があると説明した。
 

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