外交部の呉釗燮部長(=外相)は28日、英ロンドンのニュース専門チャンネル「Sky News(スカイ・ニュース)」のアジア特派員(中国・北京駐在)であるトム・チェシャ(Tom Cheshire)さんのインタビューを受けた。呉部長は、中国の軍事脅威に対する台湾の対応、台湾と中国の両岸関係の現状、台湾と英国の関係などについて説明した。インタビューの内容は28日午後7時(現地時間)放送開始のニュース番組「Sky News Tonight」で放送された。
台湾周辺で拡大する中国の軍事行動に台湾がどのようにして対応しているか尋ねられた呉部長は、「台湾の人々はこの国と、ようやく手に入れた民主制度を守り続けるという強い意志を持っている。台湾は民主的な先進国であるだけでなく、高いレベルのテクノロジーを持った国だ。中国が武力によって台湾に侵攻すれば、世界をひっくり返すような結果をもたらすだろう」と警告した。
呉部長はまた、台湾海峡両岸関係についても言及。「中国は以前から国際社会に対し、台湾は中華人民共和国の一部だと吹聴している。しかし、実際、中国政府が台湾を統治したことは一日たりともない。これは事実であり、現状でもある」と説明した。
呉部長はさらに、「中国共産党は台湾に対する『文攻武嚇(言論による攻撃と武力による威圧)』を展開している。軍事行動で台湾に脅威を与え続けているだけでなく、いわゆる『一つの中国』という「原則」を振りかざし、国際社会における台湾の生存空間に圧力を加えている。このほか、中国はフェイクニュース、ハイブリッド戦略(Hybrid Warfare)、グレーゾーンなどの手段を用いて、台湾の人々の政府に対する信頼を破壊し、これを軍事攻撃の準備としている。中国政府のこうした侵略行為に対応するため、我々は自己防衛能力を高め、より積極的に米、英、日、欧州連合(EU)などの近い理念を持つ国々との協力・交流を強化し、ルールに基づいた国際秩序を守ろうとしている」と述べた。
そして、「台湾は英国が台湾海峡及びインド太平洋地域を重視していることを歓迎する。今後も英国との二国間関係を強化するため努力していきたい」と伝えた。
「Sky News」は1989年に放送開始。現在、世界127カ国・地域で放送され、2億人が視聴している。「Sky News Tonight」はニュース・キャスターのダーモット・マーナハンさんがプレゼンターを務める番組で、毎晩国内外の主要ニュースを分析している。