米国沿岸警備隊(USCG)はこのほど、ポートステートコントロール(PSC)に関する最新の年次報告を発表した。この報告で台湾は「21世紀に向けたクオリティ・シッピング(Qualship 21)計画」の条件に合致する旗国として3年連続で認定された。交通部航港局によると、これによって台湾の海運業者は2022年6月30日まで、米国沿岸警備隊に対して傘下の台湾籍船を「優良な船舶」として登録申請し、米国に寄港した際の検査頻度を3年に1回と大幅に減らすことが可能になる。これは、台湾籍船の米国での寄港時間を短縮し、船舶のオペレーションの効率を引き上げ、ひいては台米貿易の発展を促進することにつながる。
米国沿岸警備隊は2001年1月1日より「21世紀に向けたクオリティ・シッピング計画」を実施している。これにより、米国に寄港する外国船籍に対して行う船内設備や乗組員の資格など、安全に関する立入検査(ポートステートコントロール)のエネルギーを、不備の矯正が必要な、あるいは管理制度が良好ではないサブスタンダード船(国際条約に定められた基準を満たしていない船のこと)に集中し、乗組員の福利厚生や人員の安全を保障し、海洋環境への危害を減らしている。この計画による評価基準は非常に厳格で、直近3年間に米国内でポートステートコントロールを10回以上受け、その平均拘留率1%未満である必要がある。また、国際海事機関(IMO)の検査を行うなどの条件を満たしていなければ、優れた旗国として認定されない。
交通部航港局の葉協隆局長によると、米国への定期航路を運航する台湾籍船のうち、直近3年間で米国のポートステートコントロールを受けたのは延べ39隻。すべて米国の検査に合格し、拘留率は0%だった。これは、海事の安全及び海洋環境保護に関する台湾籍船の取り組みが、米国の高い評価を受けていることを意味する。交通部航港局はすでに、台湾が「21世紀に向けたクオリティ・シッピング計画」に合致する旗国に認定されたことを台湾の海運業者に通知するとともに、台湾籍船が米国沿岸警備隊に対して「優良な船舶」として登録申請を行うために協力している。台湾が「21世紀に向けたクオリティ・シッピング計画」で優れた旗国と認められるのは3年連続のこと。今年は台湾のほかに、英国、フランス、ドイツ、日本など22か国・地域が認定を受けたが、台湾は3年連続で認定を受けた数少ないアジアの国となった。