台湾南部・台南市の黄偉哲市長と日本の京都市の門川大作市長が6月30日、テレビ会議形式で「台南市・京都市交流推進協定書」に署名した。台湾と日本をそれぞれ代表する「世界的な歴史都市」が手を携え、先人の成果を引き継ぎながら新たな歴史を切り開いていく。日本における中華民国大使館に相当する台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表(=大使)、日本の対台湾窓口機関・日本台湾交流協会高雄事務所の加藤英次所長、京都市議会の田中明秀議長、吉田孝雄副議長、寺田一博議員らがオンラインで同協定締結に立ち会った。
黄偉哲台南市長は、協定を結ぶのがそれぞれにとって代表的な歴史都市で、いずれも世界歴史都市連盟のメンバーだとして、「台湾と日本にとって特に歴史的意義のある日だ」との認識を示した。黄市長は両市のこれまでの交流を振り返り、2012年に台南市が世界歴史都市連盟に加入した際に当時立法委員(国会議員)だった自分は京都市を訪れており、その美しさと豊かな歴史文化が大変印象深かったと話した。
黄市長はまた、日本は今年新型コロナウイルスワクチン224万回分を台湾に無償提供して台湾がコロナ禍の難局を乗り越えられるよう協力してくれているとし、『「まさかの時の友こそ真の友」の得難い友情を示した』と感謝。このタイミングで京都市と交流推進協定を結び、共に両市の未来の交流を促進していくことを約束できたことはとてもうれしいと強調した。
これに対し京都市の門川市長は協定締結のセレモニーで、昨年京都市で新型コロナの感染が広がった際、台南市から感染予防用ゴーグルが届いたとして深く感謝。その上で、協定締結で双方の市民の交流がいっそう促され、両市のさらなる繁栄と発展につながるようにと願った。
台南市と京都市の交流は頻繁で、両市の市議会は2018年に友好交流協定を締結。そして双方の交流はコロナ禍をも乗り越え、両市議会の協定締結から3年後、さらに市と市との交流促進協定締結が実現した。