政府が東南アジア、南アジア、ニュージーランド、オーストラリアとの幅広い関係強化を目指す「新南向政策」に合わせると共に同政策対象国ならびにロシアの人々が台湾を訪れる際の査証(ビザ)に関する政策を強化するため、外交部(日本の外務省に相当)は今年4月12日に関係機関を集めて省庁横断会議を開き、タイ、ブルネイ、フィリピン、ロシアの国民を対象とした入国ビザ免除措置の試験実施、「観宏専案」(団体旅行電子ビザ)及び「東南亜国家人民来台先行上網査核」(条件付きビザ免除)など、ビザ申請手続き簡素化措置の執行状況を総点検した。
「観宏専案」は東南アジアからの団体ツアーで、指定旅行会社によるもの、あるいは企業のインセンティブ旅行など条件を満たす優良なものに対して電子ビザを発行し、本来必要なビザ申請手続きを省くもの。また「東南亜国家人民来台先行上網査核」は、東南アジアで条件を満たす人は事前に内政部移民署(日本の出入国在留管理庁に相当)のウェブサイトに必要事項を書き込めば手数料なしで台湾への入境(入国)許可が得られるというもの。
これらビザ申請手続き簡素化措置のこれまでの成果を評価すると共に、ポストコロナ時代におけるこれらの国々との往来回復ならびに観光市場活性化のニーズを考慮し、関係機関は今年8月1日より、タイ、ブルネイ、フィリピン、ロシアの国民を対象とした来台ビザ免除措置を来年7月31日まで延長すること、そして「観宏専案」は来年の12月31日まで続行することを決定した。
中央感染症指揮センター(新型コロナウイルス対策本部)の防疫政策に合わせ、外交部は昨年3月19日より外国人の台湾への観光旅行受け入れを一時的にストップしている。このため今回の決定は「新南向政策」対象国ならびにロシアの国民に対するビザに関する待遇の延長と調整にすぎず、コロナ禍の中で台湾への観光旅行を認めるものではない。今後、外国人の観光旅行に対する制限を緩和するかどうかは中央感染症指揮センターが世界の感染状況を評価した上で決定することになる。