中華民国外交部(日本の外務省に相当)の呉釗燮部長(外相)は1日、オーストラリアの公共放送局、オーストラリア放送協会(Australian Broadcasting Corporation, ABC)の主力番組「チャイナ・トゥナイト(China Tonight)」の司会者、Stan Grant氏による取材にオンラインで応じた。呉部長は、台湾海峡情勢、台湾・オーストラリアの関係や、「環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)」加盟などについて詳細に説明した。このインタビュー内容は、4日夜に放映され好評を博した。
呉釗燮部長の説明は以下の通り。
中国政府からの台湾に対する軍事的脅迫は未だに止むことがない。中国政府はここ数年、頻繁に防空識別圏(ADIZ)に軍用機を侵入させ、台湾に対するフェイクニュース拡散、ハイブリッド戦争で台湾の国際組織加入への余地を著しく狭めている。台湾は、民主主義に基づき、世論に耳を傾け施政方針のよりどころとしている。世論調査が示すには、市民の大部分が両岸関係の現状維持を望んでいる。これも、台湾政府が全力で守ろうとする約束だ。
中国政府からの脅威に直面し、台湾は引き続き防衛力の強化、非対称戦力を発展させることに加え、理念を同じくする国家と安全保障の面で協力していく。近年、台湾と米国のパートナーシップが大幅に深まり、安全保障に関する戦略や情報交換を推進している。台湾とオーストラリアの関係も非常に友好的だ。台湾が断固として守るものは、台湾市民の民主主義を基礎とした生活だけでなく、民主主義国家と共有する民主主義や自由もある。最後に民主主義が勝利し、台湾が勝利を収めると信じている。
ダン・ティーハン・オーストラリア連邦貿易・観光・投資大臣が先ごろ、メディアの取材を受けた際に、オーストラリアが台湾のCPTTP加盟申請を支持すると表明したことに感謝する。台湾はオーストラリアと関連の経済・貿易問題について、さらに協議を進める。CPTPPは高水準な自由貿易協定のため、新規加盟国はすべての加盟国の同意を得る必要がある。台湾は、個々の加盟国との交渉を継続しており、各国の同意が得られるよう期待している。