台湾東部・花蓮県花蓮市と日本の岩手県盛岡市は2019年11月に友好都市協定を結んだ。新型コロナウイルスの影響で相互訪問がままならない中、盛岡市は22日、友好都市提携から満2年を迎えたことを記念して、盛岡城跡公園(岩手公園)内に記念碑を建立し、除幕式を行った。
花蓮市公所(=市役所)によると、記念碑の除幕式は22日午前に行われた。盛岡市の谷藤裕明市長が自ら出席し、歌や太鼓のパフォーマンスがにぎやかに行われたほか、地元の女性3人が台湾先住民族のアミ族、タロコ族、サキザヤ族の衣装を身にまとって登場した。
式典では花蓮市の魏嘉賢市長のビデオメッセージも放送された。魏嘉賢市長によると、盛岡市が盛岡八幡宮例大祭(盛岡秋まつり)の盛岡山車(もりおかだし)を花蓮市で開催されたパレードに参加させたことがきかっけで交流が始まり、昨年11月24日に友好都市協定を結んだ。新型コロナウイルスの影響で実質的な交流を行えない中でも、互いを思いやる気持ちは持ち続けてきた。その具体例として、昨年日本で新型コロナウイルスが猛威を振るっていたとき、花蓮市は盛岡市を含む日本の姉妹都市に対して医療物資を供与するなど、「防疫に国境なし、友情は千里の道も渡る」のモットーを示した。
花蓮市は昨年11月、友好都市協定の締結から満1年を迎えたことを記念して、市内の水牛公園に記念モニュメントを設置し、除幕式を行った。このモニュメントは「倆相好(=仲の良い二人の友達という意味)」と名付けられた。乳白色とステンレスの2つの丸みを帯びた人形が抱擁のポーズをとっており、世界各地に対する花蓮市のフレンドリーなイメージを表している。
盛岡市が今回建立した記念碑は、大理石のほかに、花蓮産の緑蛇紋石と盛岡産の姫神小桜石を使用した。また、盛岡山車の演題として好まれる「矢の根」や、花蓮に多く住む3つの先住民族のシンボルマークなどのデザインを盛り込み、これに書道と石彫の技術を加えて台日の要素を融合させた。
除幕式で盛岡市の谷藤裕明市長は、「記念碑の建立に、両市の友好関係が末永く続くよう期待を込めた」と述べた。また、花蓮市の魏嘉賢市長は「新型コロナウイルスの一日も早い収束を願う。その折にはまた盛岡市を訪問し、この素晴らしい記念碑をじっくり鑑賞したい」と述べて再会を約束した。