昨年10月に「中東欧3カ国経済貿易投資視察団」を率いてスロバキア、チェコ、リトアニアを訪問した国家発展委員会(国発会 日本の省レベル)の龔明鑫主任委員(大臣)が11日、リトアニア経済革新省のAušrinė Armonaitė大臣とテレビ会議形式で会談、同視察団によるリトアニア訪問後の作業の進捗状況などについて話し合った。双方はこの会談の中で、経済貿易分野と科学研究の面での連携を強化する具体的な方向を確認、また龔主任委員は台湾がリトアニアにとって信頼に足る堅実な盟友であることを改めて伝えた。龔主任委員は、台湾は今後リトアニアとの連携を深めていくと強調、共同で強靭な民主的サプライチェーンを構築することで全世界の民主主義陣営の団結とレジリエンスを増進し、またリトアニアが中国による経済的な脅迫に対処するのに全力で協力すると語った。
会談後、龔主任委員とAušrinė Armonaitė大臣はオンラインで記者会見に出席、リトアニアの各界に向けて、台湾とリトアニアは自由と民主の価値を共有する理念の近いパートナーであり、今後各分野での交流と連携はいっそう密接かつ頻繁になっていくと強調した。
龔主任委員は会談の中で、台湾とリトアニアの交流は民主の価値の上に築かれたもので、とりわけコロナ禍における感染対策での連携は「善の循環(サイクル)」だったとし、今後はこの前向きなサイクルを経済貿易分野へも広げていく考えを示した。また、リトアニアを訪問した際に交わした覚書と会談で得られたコンセンサスについても、関連の約束事を必ず実行すると強調した。龔主任委員によると、訪問団の帰国後、台湾はただちにこれらの作業に取り掛かっており、進捗状況の確認や調整のための会議が次々に開かれるなど、計画どおり積極的な取り組みが始まっている。龔主任委員は、こうした取り組みは政府のみならず、視察もしくは様々なビジネス会議に参加した企業や関連の産業でも積極的に行っていると説明した。
また龔主任委員はAušrinė Armonaitė大臣に対し、台湾は中国の経済的な脅迫に対処するための貴重な経験を少なからず積んでいることを指摘、中国が台湾への観光客を減らしたり、台湾の農産物の輸入を止めたりしようと台湾は自由と民主を堅持、脅迫を恐れず、理念の近いパートナーと経済貿易面での結びつきを積極的に強化することで台湾の経済成長を新たな高みへと導いたと説明した。龔主任委員は、中国による経済面での横暴な脅迫が一時的に一定の打撃となることはやむを得ないとした上で、台湾とリトアニアならびに世界の民主主義同盟が共に努力し、経済・貿易・投資や産業の結びつき、サプライチェーンの安全保障などで協力を強められれば、権威主義による経済的な脅迫に対抗するための強靭性と実力をさらに強化出来、台湾とリトアニアの連携を「自由民主のサクセスストーリー」にするだろうと語った。
Aušrinė Armonaitė大臣は台湾の変わらぬリトアニア支持の決意に感謝、「(その決意は)まさに台湾が過去30年間、民主と自由をずっと守ってきた決意と同様に岩のように固い」と述べた。Armonaitė大臣はまた、台湾に駐在させる人員の選定と関連の行政手続きを現在進めているところだとして、今春にはリトアニアの台湾における代表機関を正式に設置し、両国の経済貿易、投資ならびに実質的な関係をさらに深めていく考えを示した。
龔主任委員とArmonaitė大臣は、双方は今後も互いに支え合い、難局を共に乗り越えていくと改めて宣言、台湾とリトアニアが手を携えて緊密に協力していくことで持続可能な発展に向けても新たな道が開かれ、同時に世界における民主主義の盟友間の団結とレジリエンスも増進出来ると強調した。