2025/07/09

Taiwan Today

外交

蔡英文総統、安倍元首相の遺影に献花

2022/07/12
蔡英文総統は11日朝、日本台湾交流協会台北事務所(台北市松山区。台湾における日本大使館に相当)を弔問に訪れ、亡くなった安倍晋三元首相の遺影に花を手向けた。写真は蔡英文総統がしたためた直筆の色紙。安倍元首相への感謝の言葉がつづられている。(総統府サイトより)
蔡英文総統は11日朝、日本台湾交流協会台北事務所(台北市松山区。台湾における日本大使館に相当)を弔問に訪れ、亡くなった安倍晋三元首相の遺影に花を手向けた。
 
蔡総統は日本台湾交流協会に到着後、安倍元首相の遺影前で献花を行い、深々とお辞儀をした。また、色紙に「台湾の永遠の良き友へ。台日友好と世界の民主主義、自由、人権、平和のために尽くしたあなたの貢献に感謝します」としたためた。
 
蔡総統はその後、談話を発表した。談話の内容は以下のとおり。
 
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安倍晋三元首相とは10年以上の付き合いがある。今年3月、安倍元首相とオンライン会談を行ったときの、あの優しい笑顔と温かい挨拶の声が忘れられない。あのとき私たちは、近いうちに台湾で再会できるよう心から望んでいた。
 
つい先日、台北駐日経済文化代表処(東京都港区。日本における中華民国大使館に相当)の謝長廷代表(=駐日大使に相当)から、安倍元首相から訪台の約束を取り付けたとの報告を受けたばかりだった。多くの民間の友人たちからも、もともと安倍元首相と進めていた活動や計画の話を聞かされた。これらはどれも、安倍元首相と台湾との交流がいかに緊密であったかを表わすものだ。我々はいつも肩を並べて前進する良いパートナーだった。だから安倍元首相との突然に別れを、誰もがとても悲しみ、残念に思っている。
 
ここ数日、台湾各地からやってきた市民が、日本台湾交流協会台北事務所前に設けられたメッセージボードに、安倍元首相への追悼や感謝の言葉を書いている。きょう(11日)、政府機関と公立学校は半旗を掲揚している。私は、台湾の政府及び住民を代表して、安倍元首相の家族に最大限の哀悼の意を表したい。非合法的な暴力行為については、改めてここで強く非難したい。
 
安倍元首相は国際社会で尊敬を集めるリーダーだった。生涯をかけて民主主義、自由、人権の価値を守ることに尽くした。しかも彼は、台湾にとって良き友人であり、何度も台湾に足を運んでは台日関係を大きく発展させ、双方の交流を促進してくれた。
 
近年、台湾が震災や新型コロナウイルスなどの問題に直面するたびに、安倍元首相はいつも支援の手を差し伸べてくれた。国際社会においても、彼はいつも台湾のために発言し、台湾の国際参与を積極的に支援してくれた。安倍元首相の台湾に対する友好的で温かい姿勢は、我々の心の中に永遠に残ることだろう。
 
ここ数日、台湾と日本では多くの人たちが、安倍元首相が東日本大震災の被災者のためにピアノの演奏をしたときの動画を目にしたことだろう。安倍元首相はこの動画の中で、皆がチャレンジ精神や助け合いの精神を発揮して欲しいと呼びかけた。これは台湾と日本に共通の精神だと私は信じている。
 
これまで台湾と日本は助け合いながら、さまざまな問題を乗り越えてきた。そして今日、私たちは一緒に安倍元首相を追悼した。彼が台日関係に寄せた期待を忘れない。これからも台湾と日本は手を合わせて協力し、双方の友好関係を深め、そしてインド太平洋地域に自由で開かれた世界を作り上げていきたい。
 
最後に、安倍元首相が台日関係のために尽くした貢献に改めて感謝するとともに、安倍元首相がピアノで弾いた『花は咲く』の歌と同じように、私たちはこれからも努力を続け、台湾と日本の協力によってさらに多くの花を咲かせていきたいと願っている。
 

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