2025/07/09

Taiwan Today

外交

外交部の呉釗燮部長、台湾貿易センターキーウ事務所所長に「睦誼外交獎章」授与

2022/08/11
外交部の呉釗燮部長(右)は今月5日、台湾貿易センターキーウ事務所(ウクライナ)の徐裕軒所長(左)に「睦誼外交獎章」を授与した。徐所長はロシアのウクライナ侵攻が行われる中、中華民国政府に協力し、持ち場を守りながら、ウクライナ在住の台湾人退避という困難な任務を遂行した。(外交部)
外交部の呉釗燮部長は5日、台湾貿易センターキーウ事務所(ウクライナ)の徐裕軒所長に「睦誼外交獎章」を授与した。同事務所は、台湾の貿易振興機関である中華民国対外貿易発展協会(TAITRA、日本での名称は台湾貿易センター)の海外事務所の一つ。徐裕軒所長はロシアのウクライナ侵攻が行われる中、中華民国政府に協力し、持ち場を守りながら、ウクライナ在住の台湾人退避という困難な任務を遂行した。「睦誼外交獎章」の授与式には、TAITRAの黄志芳董事長、徐所長の母親・李瑞琴さんと家族、外交部の兪大㵢常務次長(=事務次官)、それにTAITRA及び外交部の職員らが出席した。
 
呉部長は、徐所長がキーウ事務所の所長としての職務を遂行しながら、台湾の在外公館(ウクライナには外交部の在外公館がない)と連携を取りながら、ロシアのウクライナ侵攻が始まる今年2月にはウクライナ在住の台湾人退避の準備を進めていたことに感謝した。ロシアは2月24日にウクライナ侵攻を開始。徐所長は、中華民国政府からの指示を受けると直ちにウクライナの在留台湾人に連絡を行い、その日の夜にはバスを手配して第一陣を退避させた。徐所長はその後も昼夜を問わず在留台湾人退避のために奔走し、自身の危険を顧みず、少なくとも計3回にわたって在留台湾人とその家族計70人余りを隣国ポーランドやスロバキアまで安全に退避させた。これにより、台湾はウクライナに在外公館を持たないながらも、ロシアによる軍事侵攻開始後、一早く自国民の退避を終えた国の一つとなった。呉部長は、「徐所長の無私の奉仕の精神と勇気は敬服に値する」として称賛。徐所長の母親と家族にも最高の敬意を示し、家族が徐所長の立場に理解を示し、支持してくれたことに感謝した。
 
これに対して徐所長は、在留台湾人退避の任務を無事遂行できたのは、決して自分一人の功績ではないとした上で、外交部や、外交部がロシア、ポーランド、スロバキアに設置する3つの在外公館による協力に感謝した。徐所長はまた、政府から託された任務を冷静に遂行するよう励ましてくれたTAITRAの黄志芳董事長にも感謝。さらに、この栄誉は自分のことを心配し、見守ってくれた母親の李瑞琴さんに捧げたいと述べた。
 
呉部長は最後に、ロシアのウクライナ侵攻は第二次世界大戦終了後、欧州で発生した最大の戦争であり、住むところを追われたウクライナの人々は1,000万人近くに上るとした上で、「これは欧州地域の安全保障や人々の日常生活に直接的な衝撃を与えると同時に、世界の政治経済にも影響を与えている。また、世界の平和と発展にも極めて深刻な影を落としている。台湾は国際社会における民主陣営の一員として、ロシアに対して繰り返し戦争停止を呼びかけると同時に、ウクライナの人々に4,500万米ドルの資金援助を行い、約600トンの支援物資を提供するなどしてきた。ウクライナの人々は台湾からの愛と思いやりを十分に感じているだろう。我々は、正しい道理と正義が称えられ、民主主義と自由が勝つと信じている。ウクライナの人々が一日も早く戦争の苦しみから逃れ、平穏な生活を戻し、国家の再建に取り組めるよう願っている」と述べた。
 

ランキング

新着