中華民国外交部（日本の外務省に相当）の呉釗燮部長（外相）は6日、中華民国（台湾）政府を代表して、中米経済統合銀行（Central American Bank for Economic Integration 、略称CABEI）のペドロ・ブロロ・ビラ（Pedro Brolo Vila）取締役（グアテマラ）に対して「大綬景星勲章」を授与した。台湾を訪問中のブロロ氏は、前任のグアテマラ外相でもある。台湾とグアテマラの友好関係を深めるための努力や多大な貢献が表彰された。CABEIはグアテマラなど中米5か国によって設立された国際開発銀行。
呉部長は、ブロロ氏が外相在任中、両国の二国間協力枠組み締結の促進、人々の生活と福祉に利益をもたらす様々なプロジェクトの推進に尽力し、双方の友好関係が深化したことに中華民国政府を代表して謝意を示した。また、ブロロ氏がグアテマラ政府を代表し、書簡、提案、発言など具体的な行動を通じて、台湾の国際機関参与への支持を繰り返し表明してきたことにも感謝した。
呉部長はさらに、中国による台湾へのたび重なる軍事的脅威が地域の平和や安定に影響を及ぼす中、グアテマラのアレハンドロ・ジャマテイ大統領が、国交樹立国としては最初に台湾支持を表明したことに対して、中華民国政府及び市民を代表して感謝したいと伝えた。また、CABEI取締役に就任したブロロ氏が台湾の国際参与を強力に後押しし、引き続き台湾とグアテマラの友情を深め、中米諸国とのパートナーシップをさらに拡大してくれるよう期待を寄せた。
一方、ブロロ氏は、今回の台湾訪問と中華民国政府からの「大綬景星勲章」授与に心から感謝した。ブロロ氏は、台湾とグアテマラの友好関係が両国の人々の深い友情に基づいていると強調。また、ブロロ氏の妻の母方の祖父ウンベルト・ビスカイノ（Humberto Vizcaino）氏はグアテマラの二代目駐中華民主国大使で、かつて中華民国政府から「大綬景星勲章」を授与されたことから、夫人同伴での今回の訪問が一層有意義なものとなったと語った。
ブロロ氏はそのほか、新型コロナウイルス感染症の大流行や、グアテマラが大型ハリケーンで甚大な被害を受けた際の台湾による各部門への迅速な援助に、感謝の言葉を述べた。また、「両国はいずれも民主主義や自由という普遍的価値を持つ。外相在任中に台湾と協力関係を構築できたことは幸いだった」と述べ、今後もCABEI取締役という立場から台湾とCABEIによる提携の推進を強化し、台湾、グアテマラ、中米諸国の経済貿易交流を深め、共同で中米地域の発展を促進したいと意欲を示した。