欧州各国の親台湾派議員グループによって構成される「フォルモサクラブ(Formosa Club)」は20日、国際民間航空機関(ICAO)のサルバトーレ・シャキターノ理事会議長宛てに、まもなくカナダのモントリオールで開催される第41回ICAO年次総会に台湾を参加させるよう求める書簡を発出した。この書簡には、「フォルモサクラブ」の各国の共同代表を筆頭に、欧州議会を含む計30カ国の国会議員142人が署名している。ICAO年次総会だけでなく、ICAOの関連会議、イベント、メカニズムに台湾が有意義な参加を果たせるよう求めている。同時に、中国が台湾周辺で実施する軍事演習は、各国及び地域の飛行ルートに危害を加えるものだとして非難している。
ICAO年次総会は9月27日から始まる。欧州各国の国境を越えた議会プラットフォームがICAO年次総会の開催前に、実際の行動をもって台湾のために声を上げてくれたことについて、中華民国(台湾)外交部(日本の外務省に相当)はニュースリリースで「心から感謝し、そして歓迎する」と述べている。書簡の概要は以下のとおり。
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台湾は、東北アジア及び東南アジアを結ぶ重要な空の交通の要衝である。業務量も膨大な台北飛行情報区(FIR)は、福岡、マニラ、香港、上海の飛行情報区と隣接し、18本の国際航空路線と4本の国内航空路線を管轄している。台湾は世界の航空ネットワークにおいて必要不可欠な存在でありながら、ICAOの会議、活動、メカニズムから排除されてきた。このため、ICAOから即時に全面的な情報を得ることができずにいる。また、中国は一方的に、台湾周辺で軍事演習を行っている。これは国際航路に深刻な影響を与え、台北及び隣接する飛行情報区の航空安全に危害を加えている。航空安全に国境は関係なく、政治化すべきではない。ICAOは第41回年次総会に台湾を招待し、ICAOが掲げるシームレスで円滑な航空交通という目標を実践すべく具体的な行動をとるべきである。