蔡英文総統は5日夜（米東部時間同日午前）、米ワシントンのシンクタンク「Global Taiwan Institute（GTI）」が主催する公開シンポジウム「米台関係：ルールに基づいた国際秩序を促す」に事前録画した動画を寄せ、開会式の基調講演とした。
蔡総統は、中国が軍事演習やグレーゾーン作戦などで台湾海峡の現状を破壊しようとしていること、インド太平洋地域の平和と安定に脅威を与えていることを指摘。これに対して世界が一致団結することは、権威主義の拡張に対抗し、民主主義を守り、共通の挑戦に対応するための鍵を握るものだと訴えた。蔡総統はまた、台湾は国連の専門機関に参加する機会が得られず、グローバルな議題に関する専門知識を共有できずにいるが、台湾の人々も世界のほかの国の人々と同じように、発言する機会を得て、世界に貢献すべきであり、台湾が国連体系に参加することは全世界の幸福にとって有益なことだと主張した。
蔡総統はまた、「台湾はこれからも近い理念を持つ国々と協力し、それによって国際社会の発展と繁栄を促進し、重要なサプライチェーンの安全を確保し、経済の強靭性を強化していく。台湾の国境再開後は、アメリカを含め世界各地のパートナーとさらに頻繁に交流を行い、自由と民主主義をともに守っていきたい」と強い意気込みを示した。