2025/05/25

Taiwan Today

外交

呉外交部長が韓国「NEWS1」の取材に対し、「現状維持こそ台湾の一貫した立場」と強調

2022/10/27
呉釗燮外交部長が韓国の通信社「NEWS1」の取材に対し、台湾海峡の現状維持こそ台湾の一貫した立場だと強調、国際社会が共同で中国の権威主義拡張を阻止するよう呼びかけた。(外交部)
呉釗燮外交部長(=外務大臣)がこのほど韓国の三大通信社の一つ、「NEWS1」の記者、金正律氏による書面インタビューに応じた。内容は25日、「NEWS1」のウェブサイトで、「台湾の外交部長:習近平は3期目で台湾に対する武力侵攻の脅威を強めるだろうが台湾はそれに屈しない」との見出しで公開された。
 
呉外交部長は、総書記に再選された習近平氏にとって最重要課題は内部での勢力を固め、自身に異を唱える声を消し去ることだが、3期目の任期においては台湾に対する脅威と武力を用いた脅しを強めるはずだと予想。台湾はとりわけ、中国での景気後退や失業率の上昇、度重なるロックダウンなどの内政問題が人々の怒りを引き起こした場合に、指導者が人々の目を外部に向けさせ、共産党政権の合法性を維持しようとすることに注意する必要があると指摘した。呉外交部長はまた、習近平氏は自らの歴史的評価のため、いわゆる「統一の偉業」だとして実際には台湾を侵略する戦争に乗り出す可能性もあると懸念した。
 
呉外交部長は、中国は長年にわたって台湾の主権が独立している事実を認めず、台湾への武力行使も放棄していないと批判、「我が国の一貫した立場は『現状維持』であり、それは中華民国台湾と中華人民共和国は互いに隷属せず、中国に台湾の管轄権はなく、中国はこれまで一度も台湾を統治したことが無いという、このずっと存在している現状のことだ。これはまた国際社会が広く認めている現実だ」と述べた。呉外交部長は、台湾海峡の現状維持は各方にとって最大の利益に合致すると主張すると共に、今年の双十国慶節(10月10日、建国記念日に相当)祝賀式典における蔡英文総統の演説内容を引用し、台湾は理性的かつ平等、そして互いを尊重する環境の下、台湾海峡の平和と安定の維持に向けた、双方共に受け入れ可能な方法を北京当局と共に探る用意があると述べた。
 
呉外交部長は今年8月に行われたアンケート調査で9割近い人が「現状維持」を支持したことに触れ、「現状維持」は台湾の社会において世代や性別、年齢層を問わず高度なコンセンサスになっていると説明、中共当局の言う「一つの中国原則」や「一国二制度」、8月10日に発表した「台湾問題と新時代の中国統一事業」白書などでのでたらめな論理はいずれも台湾の人々から強く拒否されていると強調した。
 
呉外交部長は、中国が米国のナンシー・ペロシ下院議長の訪台を口実にして台湾周辺の海と空で行った挑発的かつ大規模な実弾演習の真の狙いは台湾海峡の「内海化」であり、台湾海峡が国際航路である現状を否定することで各国の空と海での自由な航行権に影響を与えること、そしてこれを機に、長年準備して来た台湾侵攻のシナリオを訓練することだと分析した。そして呉外交部長は、米国、日本、オーストラリアなど多くの国の政府が中国の高度に無責任な軍事的示威行動に対して非難と懸念を表明すると共に台湾海峡の平和と安定の重要性を重ねて訴え、両岸問題の平和解決を奨励していると説明した。
 
呉外交部長は、米国のバイデン政権が、「台湾関係法」及び「六つの保証」による台湾の安全保障に関する約束を守ると繰り返すなど、米国の台湾に対する支持は「岩のように」固く、米国政府が今年2月に発表した「インド太平洋戦略」と10月に発表した「国家安全保障戦略」のいずれにおいてもこの立場が十分反映されていたと指摘した。一方で呉外交部長は、「台湾防衛は我々自身の責任で、政府はこれからも自己防衛能力と『非対称戦力』の強化に努める」と強調、台湾は自由で民主的なライフスタイルを堅持し、揺るぎのない自信と行動を以って主権と領土を守り抜くと述べた。呉外交部長はそして、国際社会が共同で中国の台湾に対する無責任な恫喝や、野心むき出しの権威主義の拡張を阻止し、自由で開かれ、安定して繫栄するインド太平洋地域を共に守っていこうと呼びかけた。
 
 

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