外交部の呉釗燮部長（外相）は8日夜、セントクリストファー・ネイビス連邦のテランス・ドリュー首相及びその訪問団を歓迎するために晩餐会を主催した。呉部長は、中華民国政府を代表して一行の訪台を歓迎するとともに、同国が長年台湾の国際参与を支持していることについて特に謝意を示した。セントクリストファー・ネイビス連邦はカリブ海に浮かぶ島国で、中華民国（台湾）の国交樹立国。
ドリュー首相は今年8月に首相に就任したばかり。呉部長は、ドリュー首相が閣僚や野党党首、地方自治体の首長らを率いて台湾を訪問したことは、セントクリストファー・ネイビス連邦が実際の行動をもって台湾との友好関係支持の姿勢を示すものだとして歓迎した。また、ドリュー首相が今年行われた第77回国連総会で、台湾が国連体系に有意義な参加を果たすことを支持すると発言したことに触れ、台湾の人々と政府は心から感謝していると伝えた。呉部長はまた、両国が国際社会でこれからも緊密に連携することで、自由、民主主義という共通の信念を守り、両国の国民の福祉増進につなげたいと期待を寄せた。
呉部長は、セントクリストファー・ネイビス連邦と中華民国（台湾）が正式な外交関係を結んで39年間、医療、教育、観光、ICT、女性のエンパワーメント、気候変動に対する強靭性向上、持続可能な発展などさまざまな分野で緊密に協力してきたことに言及。今回の一行の台湾訪問でも、医療分野の背景を持つドリュー首相のために衛生福利部中央健康保険署の訪問を手配しており、台湾の国民皆保険制度とその運用について理解を深めてもらい、新型コロナウイルス対策の経験を共有したいと伝えた。
ドリュー首相は、台湾の長年にわたるさまざまな支援に感謝するとともに、今後も台湾がさまざまな国際組織に参加できるよう支持していく姿勢を示した。また、来年9月には両国の国交樹立40周年祝賀イベントを開催する予定だとして蔡英文総統の訪問を要請した。
ドリュー首相に同行して台湾を訪れたデンジル・ダグラス(Denzil Douglas)外相は、両国が正式な外交関係を結んでまもなく40年の節目を迎えることに言及。両国はこれまで民主主義、優れたガバナンス、法の支配、人権の尊重など共有価値の普及に取り組み、極めて盤石な友好関係を築き上げ、相互に利益のある成果を生み出してきた述べた。また、セントクリストファー・ネイビス連邦が今後、外資誘致に力を入れる考えを明らかにし、より多くの台湾企業が同国に投資を行い、両国の中小企業にによる協力を強化することで、両国の国民の友好感情をさらに深めていければと期待を寄せた。