蔡英文総統は14日、米ワシントンに本部を置くシンクタンク「アメリカ進歩センター(Center for American Progress、略称CAP)」のトーマス・アンドリュー・ダシュル(Thomas A. Daschle)所長率いる訪問団による表敬訪問を受けた。蔡総統は、ダシュル氏の3年ぶりの訪台を歓迎した。
蔡総統はまず、「アメリカ進歩センター」がアメリカの公共政策に大きな影響力を与えるシンクタンクの一つであり、同センターによるさまざまな議題についての提言が、アメリカ政府に重視されていると指摘。その上で、これからの台米関係や関連の政策について、「アメリカ進歩センター」と交流を深めていけるよう期待を寄せた。
「アメリカ進歩センター」のダシュル所長は長年にわたり台湾を支持してきた。今年4月には全米民主国際研究所(NDI)の所長に就任したばかり。これを踏まえて蔡総統は、台湾は今後もNDIと緊密に連携し、民主主義の実践経験について交流を深め、さらに多くの国々が世界の民主主義の発展に参与するよう呼び掛けていきたいと述べた。
これに対してダシュル所長は、「台湾関係法」は今年で成立40周年を迎え、台米関係は過去40年間で最も緊密になっていると述べた。ダシュル所長はまた、台米関係がこれほど緊密になっているのは、台湾が過去40年間にわたって進めてきた民主主義の発展にアメリカが高い敬意を払っているからだと述べた。
ダシュル所長はまた、NDIが台湾に拠点を設置することを決めたのは、ただ台湾にオフィスを持つという意味だけではなく、台湾での業務拡大を希望しているからだと説明。台湾をインド太平洋地域における民主主義の中心にするという構想があることを明かした。
ダシュル所長はまた、民主主義のパワーは国の安全保障のパワーに左右されるものだと指摘。それ故、自分たちはアメリカ、台湾の各方面の安全に高い関心を寄せていると説明した。また、この点は共和党であろうと民主党であろうと、政府高官であろうと国会議員であろうと一致しているはずで、誰もがこれらの地域をより安全にしたいと考えているはずだと述べた。