欧州議会外交委員会は11月30日、欧州連合（EU）の「共通外交安全保障政策（Common Foreign and Security Policy, CFSP）」と「共通安全保障防衛政策（Common Security and Defence Policy, CSDP）」の年度執行報告に関する決議案をそれぞれ可決した。
この決議案は、台湾がEUにとって重要なパートナーであり、インド太平洋地域における民主主義の盟友であることを強調。また、欧州委員会や欧州連合外務・安全保障政策上級代に対し、台湾と戦略的協力を展開するよう呼び掛けた。具体的には、経済、科学、文化、政治等の各分野で高レベルな交流を行い、EUと台湾の投資協定の締結へ向けた準備を速やかに開始すること、サプライチェーンの強靭性を強化するために協力すること、偽情報（フェイクニュース）など外来の関与に一致して対抗すること、全面的かつより強固なパートナーシップを確立することなどが挙げられた。欧州議会外交委員会はまた、EU及びEU加盟国が国際パートナーとの協力を強化し、台湾の民主主義と自由、それに国際参与を維持できるよう共同で協力するよう呼び掛けた。それと同時に、中国に対しては、台湾に対して軍事的挑発を行っているとして強く非難。台湾海峡の現状を一方的に変更しようとするいかなる企てにも断固反対する立場を繰り返すとともに、地域の安定に危害を加え、欧州の安全保障や繁栄に直接的な影響を与えるあらゆる行為を停止するよう求めた。
これに対して中華民国（台湾）外交部は12月１日、「CFSPとCSDPの2つの決議案によって、自由で民主主義の台湾に対する欧州議会外交委員会の強い支持が改めて示された。これはわが国の政府及び国民にとって極めて大きな意義を持つことだ。外交部は心から歓迎し、また感謝する」とするニュースリリースを発表した。