蔡英文総統は5日、アメリカのシンクタンクである全米外交政策会議(NCAFP)のスーザン・エリオット(Susan Elliott)会長をはじめとする訪問団一行による表敬訪問を受けた。
蔡総統は、台湾とアメリカは互いにとって重要な戦略パートナーであり、経済・貿易のパートナーでもあると指摘。台湾と米国の緊密な関係は、インド太平洋地域の自由、安定、繁栄にとって重要な基礎になるものだと述べた。蔡総統はまた、台湾がこれからも地域の平和と安定を維持するために取り組んでいくとした上で、アメリカ及び世界の民主諸国と連携し、一緒になって民主主義の価値を守り、権威主義の拡張をけん制し、より安全でより強靭性を持った民主主義のサプライチェーンを構築することで、世界のためにさらに多くの貢献をしていきたいと意気込みを見せた。
メンバーはほかに、アジア・ソサエティのダニエル・ラッセル(Daniel Russel)副会長、米国の対台湾窓口機関である米国在台協会(AIT)の元理事長で現在はPacific Century Instituteの所長を務めるレイモンド・バッガード(Raymond Burghardt)氏、元国務次官補(東アジア・太平洋担当)で現在はNCAFPアジア太平洋安全フォーラムの主任(プロジェクト・ディレクター)を務めるスーザン・ソーントン(Susan Thornton)氏、アメリカン・グローバル・ストラテジーズ社のシニア・バイスプレジデントを務めるアリソン・ホーカー(Allison Hooker)氏、NCAFPアジア平洋安全フォーラムの副主任を務めるジュリエット・リー氏など。
訪問団一行を代表してあいさつを述べたスーザン・エリオット会長は、蔡総統の熱烈な歓迎に感謝した上で、前回の台湾訪問は2019年のことだとして蔡総統との再会を喜んだ。
エリオット会長はさらに、コロナ禍の影響を受けながらも、NCAFPはこの3年間、台湾、中国、アメリカの学者や専門家たちとオンラインでさまざまな議論を交わすと同時に、韓国や日本と同じく、この地域の平和と安定に関心を寄せ続けてきたと説明。エリオット会長は、「蔡総統の発言にもあったように、この地域の平和と安定、それに繁栄を維持するための最良の方法は対話をすることであり、今回の台湾訪問で、蔡総統を含め、台湾の人々と対話ができることを非常に光栄に思う」と述べた。
スーザン・エリオット氏が台湾を訪問するのはNCAFPの会長就任後、これで3回目となる。蔡英文総統との会談を皮切りに、台北市内でいくつかの会議に参加することになっている。